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白い牛のバラッド

BALLAD OF A WHITE COW

1052022年2月18日公開
白い牛のバラッド
3.6

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(24件)


  • yrh********

    4.0

    犠牲と贖罪の象徴としての白い牛。二人は真実から目を背けた

    死刑制度と冤罪事件を問う。死刑を採用している国として、日本の受け止め方は他国とはまた違うのかなと思った。 ミナの前に現れたレザの素性は、観客には早々にわかる。ミナに真実を打ち明けないままに贖罪しようとする彼だが、そんな都合の良い話は通らず、レザにも過酷な運命が訪れる。冤罪事件と、レザの家族の悲劇は無関係なのにまるで神の裁きのようにも見える。しかしそれでもミナは許さない。「目には目を」だ。 もし彼が素直に許しを乞うていたらどうなっただろう。序盤に、冤罪が判明した後、被害者の妻がミナを訪れて泣いて謝るシーンがある。冤罪だったとしても被害者家族は何ら悪くないはずだが、それでも彼女は罪の意識に苛まれる。夫に死なれた妻二人がドア越しに泣き崩れるシーンは胸が痛い。この未亡人とレザは二人とも罪悪感に苦しんでいるが、ミナへの態度は対照的だ。もしレザがこの未亡人のように素直に泣いて謝っていたら、結末は違う形になったかもしれない。 さらにいうと、ミナもまた無意識だったとしても真実から目を背けたように見える。ミナは娘に父の真実を伝えない。言うべきだとわかっているし、娘の担任からもそのように忠告を受けるのに、伝えられない。「真実に向き合うことを拒否している」点で、ミナとレザは同じだ。少し疑えばレザの素性を追うことはできたはずだ(大体、レザの登場は都合が良すぎてあからさまに怪しい)。でもこの優しくて包容力のある男を失いたくなかったのだと思う。 (しかし、ミナがレザの正体に気づかない話運びにはちょっと無理があるなぁと思った。レザを病院に連れていったり彼の家にも出入りしているのに本名に気づかないことってあるだろうか?) イランでの女性の社会的立場についても様々な問題が提議される。親族以外の男が訪ねてきただけで、大家から部屋を追い出される。新たな部屋を借りようにも、不動産屋は女性には家を貸さない。義弟は義姉というより「家の女」として兄嫁に迫ってくるし、義父は金目当てで裁判さえ起こしてくる。とにかく男とつがいになっていない女には過酷な社会なのだ。そう思うと、母と娘の今後は不安しかない。 性的表現の制限が厳しいせいだと思うが、ミナが口紅をひきヒジャブをスッととる仕草で、この後何が行われるのかを暗喩する。控えめだけどはっきりした表現が鮮やかだった。 ミナの夢に出てくる白い牛のシーンが幻想的で不気味で綺麗。イスラム教に詳しい人なら多分、もっと色々と読み込めるのだと思う。

  • bat********

    3.0

    ネタバレ理不尽な運命に翻弄される展開に色々考えさせられた

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • yam********

    2.0

    ネタバレ白い牛は供物かと思ったら捕食者!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • にゃんにゃん

    3.0

    ネタバレ死刑制度がある国で流していい映画なのか?

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • dtm********

    3.0

    死刑制度を問う姿勢はわかる

    イランはイスラム教を国教とする政教合一の国家である。イスラム社会では女性の地位はかなり低いが、イランはその中でも厳格さな国家だ。その国において、女性の監督が死刑制度に疑問を投じる作品を制作したということ自体、かなり勇気のいる行動であったと思う。  先進国の多くは死刑制度を廃止している。しかし日本はロシアと並び、先進諸国で死刑制度を残している。このことでは国際社会での批判の声もあるだろう。しかし死刑制度には懲罰や犯罪抑止への期待もある。身内を惨殺された遺族が、犯人に極刑を求めるということを一概に否定することはむずかしいことだ。  この作品は冤罪によって死刑にされた犯人の妻を主人公としている。聾唖の娘を抱えるシングル・マザーの主人公は1年前に夫を処刑で失ういわゆる未亡人だ。その彼女のもとに、夫が犯したとされていた殺人事件の真犯人があらわれる。  冒頭でいきなりの悲哀の幕開けとなるわけだが、さらにそこに夫の古い友人を名乗る男が登場。男は昔の借金を返すといって大金をわたし、アパートを追い出される妻に住処を提供する。この男と夫との関係は……?  といったサスペンスが映画のカギとなっている。ただこのサスペンス性は、途中のネタバレによってあっさりひっくり返る。そこから両者の葛藤のドラマとなる、と展開すればいいのだがその辺の処理はどうかと疑問である。  映画はテーマの追及に集中することで、両者の立場を観客に伝える。その手法はまあわからんでもないが、そのことによって中盤辺りで映画の流れはほぼ停止状態となる。長い固定カメラのショットはサスペンスにはつながらないから、正直やたら長いだけの持って回った感に支配されてしまうのだ。  せっかくの設定と、筋の運びはいいのにこれは残念な感じである。結末はサスペンスらしい。だったら終始サスペンスに徹するべきだった。なるほど深刻な題材をつきつけてくるし、観た気にはさせる演出なのだが。

  • ybn********

    3.0

    イランでの暮らしの過酷さ。

    イランでの女性の生きづらさ。 自分たちのミスで無実の人を死刑にしてしまったことでさえ、神の御意志、として振り返らない権力を持つ者たちの卑怯。 ただ、監督であり主演でもある女性が美しいからか、悲壮感はあまり感じなかった。 中東の映画は、普通の人々の暮らしが見えるのが面白い。女性たちはストレス発散でトルコの恋愛ドラマを見ていたり、とか。

  • nn1********

    4.0

    一口寸評

    画像の女性は、監督、脚本、主演を兼ねたモガッタム(実際はもっとしっとりとした美人)。 イランの女性差別と死刑制度に物申す。 夫が殺人罪で死刑になったミナ(監督本人)は、一年後、新たな証言により夫のそれが冤罪だったと知る。 聾唖の娘ビタと二人で暮す彼女は、シングル・マザーに冷たい国に憤りながら、夫に死刑を宣告した判事に復讐心を燃やしていた。 そんなある日、夫の昔の友人だったと言う中年男が訪ねてくる…。 ストーリーは単純、謎も途中で明らかになる。 その秘密に、ミナがいつ気付くかというサスペンスだ。 語り口は同国の名匠アスガー・ファルハディーに似て淡々としていて、構図と暗喩的な映像がなかなかに鋭い。 イランは死刑執行数世界第2位だとか。 もうちょっと深みを、と思うも、本国じゃこれくらいで上映禁止に。 孤軍奮闘している趣の監督たちを労ってあげるしかない。 評点は4.5★で。

  • sou********

    4.0

    考える気がなければ、観なくて良いでしょ。僕は考え続けるから。

    あらすじを読むだけで重たいが、結末もまた重たい。 神のなす事…とした方が、理不尽を解釈する上で都合が良い事もあると思う。その点では宗教は救いになり得るはず。 しかし…冤罪で死刑執行。遺族のやりどころのない感情に、イランの法制度や女性の社会的地位や聴覚障害の幼い娘…と追い討ちをかける厳しい環境。神のなす事は、こうも哀しみに満ちているのか? 神に逃げず、原因を探し求めたら人の社会の惨さが浮かび上がる。 逃げずに向かい合えば、見なくて済んだ事実も見える。思考停止は一つの生き抜く手段かもしれないが、根本的部分の解決方法でもない。難しい事だと思う。 そもそも「イランのー」って話だが、感情を想像するのに国境は関係ない。人権とは社会的地位とは何か?と考えた時に、まだ熟成されてない社会では有り得る事柄が隠されているから物語が生まれる。一昔前の日本は?もっと昔は? 死刑制度についても考えて良いだろう。 人は権利として人の命を奪えるものだろうか?根拠を法に委ねるわけだが、法には完璧がなく解釈があるだけだ。人間のなす事全てに法で明文化する事が出来ない限り…。また、この映画のように裁く者にも過失はあり得るーこれだけでも重い。 罪を償うというが、死刑は償いではなく報いだ。それにしても、行為と量刑のバランスとは取れるのだろうか。万死に値しても一度しか死ねないのが人間だ。法的に生かしておく価値がないって話だろうか? 僕自身は死刑反対派だ。償いきれない罪を償い続けて苦役すべきだと思うが…これまた人権問題がついてくる。当然、囚人にも人権はある。償いきれない苦役に替えて報いを、と考えるのもあり得る発想だと思う。それにしても、裁く者達の過失が起きたら救いようのない事実しか残らない。この映画がまさにソレだし。 神のなす事…か。宗教的考察に支配されていた社会の方が、人間の作る不完全なルールよりマシに見えてくる。聖書、聖典に基づくなら批評のしようがないし。 白い牛の表現はわからないが、この映画を観た後の自分の感想すらまともに折り合いがつかない。 僕は多分、学びが足りずに歳だけを重ねたのだ。僕みたいな馬鹿野郎が思う事は既に偉大な知性でなんらかの道筋を立てているのだろうが、そんな事は知らずに生きてきた。そりゃあ、馬鹿野郎の僕には無理ってもの。 大量に残された本を読み尽くすより、いろんな映画を観たいしね。 ただ、何も考えずにアイツが悪い死刑だ!死刑だ!と騒ぐ側になりたくないのよ。正義感より倫理観だと思って生きているし。正義は裏切るでしょ?価値観が変われば。新たな事実でひっくり返るのも正義だし。 だから、考えたいんだよね、いろいろといろんな事を。

  • dna5577

    2.0

    なんかな

    どういえばいいのか、書きようがない!

  • fpd********

    3.0

    償うことと赦すこと

    イランの風習・文化や法制度を知識として知っている方が、映画を理解しやすいのだろうと思います。いろいろなことが理不尽で驚くことばかりです。社会派サスペンスというよりも、人が過ちをどう償い、それを赦すこととはどういうことなのか、を考えさせられる映画でした。そういう意味では、もっと訴えてくるものがあってもよかったかも。

  • kyo********

    4.0

    ネタバレ目には目を

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • uzu********

    3.0

    初めてのイラン映画

    冒頭に登場する、広場に佇む白い牛。そして主人公のシングルマザー、ミナが働くのは牛乳工場。牛は生け贄、つまり冤罪により死刑になったミナの夫を暗喩しているのだろうということくらいは察しがつくけれど、もっと深くこの作品を理解するにはイランという国や宗教についてある程度の知識が必要なのだろうと思う。 残念ながら知識のない私には映画としての感想のみですが、終始アップもダウンもなく淡々と進行する作風には眠気を誘われること数回。。。 そして、女性の扱い、特にシングルマザーに対する世間の扱いが酷い。日本の感覚ではちょっと考えられない、これぞカルチャーショック。 希望も絶望もない感のエンディングはうまい言葉が浮かばない。けれど何の非もないミナと、娘ビタにはどうか幸せになってほしい。それだけを願ってやまない。ミナは実在の人物なんだろうか、と思ったのでなおさら。

  • wxj********

    3.0

    ネタバレ罪と罰、赦しと償いの難しさ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ste********

    4.0

    記録

    29本目。

  • Dr.Hawk

    3.0

    ネタバレ冒頭のコーランの言葉には続きがあるのですよ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • 重村牧男

    3.0

    イランの女性の立ち位置がわかる

    イランでは、女性ひとりでは何もできない社会なんだと理解できた。 生活の安定も、 新しい家探しも、 男性の力を借りなければ何もできない。 男性客人を家に入れただけで、家から追い出される。 義父からは訴訟される。 かなり威圧的な社会だ。 日本も女性の立場がどうのこうのと言われるが、 イランに似て家長制度社会だったからか? でも日本では、逆に女性が優遇されている部分も多々ある。昨今の家長制度崩壊で日本の男性の不幸率はワースト国になるほどだし。 橋本聖子JOC会長のチュー事件なんて、男性が同じことしたらどんだけ叩かれることか。 その点イランの女性の情況はかなり厳しそうだ。 また死刑制度の是非も映画では問われている。 人の命の扱いについてである。 間違った決断をしてしまうと、家族やそれを下した判事の人生までも変えてしまう。 その難しさにも触れている。 もう少し知識があり、深く読めれば良かったが、そこまでは賢くなかったので、ごめんなさい。 (主演女優賞候補)

  • lei********

    3.0

    暗喩的な表現が多く、なだらかな展開で面白味はイマイチ

    夫であるババクが無実の罪で死刑に処され、苦しい生活ながらも聴覚障害の 娘を女手一つで育てる主人公ミナの元に、裁判所から連絡があり、 「真犯人が見つかって実はババクは無実だった。命をお金に換える  ことは良くないかもしれないが、あなたには夫を失った賠償金を  請求する権利がある」と言われたものの、裁判所や判決を下した判事 に対する強い憤りと、謝罪を求めたいミナの元に、夫の古い友人を名乗る レザが現れ、大昔に夫から借りたお金を返したり、大家に追い出されたミナに 新居を探したりと、いろいろ生活の面倒を見てくれるのですが・・・、 というストーリーで、このレザの正体が、わりと早い段階(上映開始後 40分ぐらい)で、観客には明かされることになります。 あとは、レザの正体がいつミナに明かされるかで作品の先行きが変わるよね、 と思いながら観ることになりますが、ラストまで観ると、 「いつ明かされようが、結論はこれしかなかったなぁ・・・」という 感想になりました。 観終わってからこの作品に関することを調べましたが、「白い牛」は 通常「生け贄」を意味し、この作品においては「死刑宣告された無実の人間」 を意味するそうです。牛乳は、白い牛から生み出されるものですから、 ミナが牛乳工場で働いているということは、生け贄を決めた人間に対する 憎悪を持ち続けていることを意味し、ラストシーンで出てくる牛乳は まさにその憎悪をぶつける道具を意味するのでしょう。 ネタバレになるので詳しくは書けませんが、日本人的な発想では、 なかなかこのラストにはたどり着けませんし、「目には目を・・・」と いう日本人とは根本的に違う発想を楽しむことが、この作品の 楽しみ方なんだと思います。 つまらないとまでは言いませんが、私は全体的に平坦だと感じましたので、 そういう評価にしました。

  • aoa********

    3.0

    「赦し」を描く

    宗教を含めた社会生活や文化、女性の立ち位置などが理解できていないと…ドラマとしては何とも評価しづらい作品です。ただサスペンス映画として観るなら、大掛かりな仕掛けなどは何もなく淡々としたつくり。作品の中盤でネタばらし的な事もあるので、ストーリーとしては「…え?これで終わりなの?」的な感想になってしまいます。ただラストに関してはちょっとだけインパクトを感じました。これが日本映画なら、おそらく「赦し」のドラマになっちゃうと思います。

  • mnk********

    4.0

    神のせいにする軽率な国民性はいずこへ?

    神様は人々が都合よく何かを判断するための役目に使わ れる対象ではない。 無宗教の日本人でも真摯に思う。 イスラム教に理解はないが、本作にあるように神を都合 よく扱って、いいのだろうか。 宗教性を重んじながら神を軽率化していないか。 死刑執行件数世界第2位であるイラン。 神のために死刑を執行していると理由付けしているのは 宗教によるものなのだろうか。 冤罪による死刑から夫を失った未亡人の不幸。 その夫から借りた金を返すと現れた男性が、どんな存在 なのか観客はすぐに分かる。 男の行いは全て、謝罪。 観客は未亡人がどう決断していくかを見守るしかない。 男の真意を分からない未亡人が1年着ていた喪服を脱ぎ 口紅をさす。 男が誘っていたのではない。 何も知らない未亡人が勝手に自ら口紅をさしたのだ。 男は謝罪を受け入れられたと安堵したのではないか? このラストをどう捉えようか。 未亡人を演じたマリヤム・モガッダムさんは共同監督脚本 も担当している。 演技も素晴らしい。 的確で無駄のない撮影と脚本、見事。 でもイランと宗教性と未亡人の心を迷子にさせたまま。 いずこへ?

  • ken********

    4.0

    やり切れない

    夫が死刑にされたシングルマザーの話。 冤罪だったなんてやり切れない設定ですね。 理不尽な話がもろもろ盛り込まれます。 神の思し召しではすまされないよ。

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