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PLAN75
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PLAN75

1122022年6月17日公開

mai********

5.0

生ききってはダメですか?

ただ単純に老人だから不要だと思っていませんか? 高齢化社会でそれを支えられないからこういう制度があった方が良いと思いますか? だとしたら、そんな高齢者の皆さんが作り上げてきた社会の全てを あなたは手放す覚悟がありますか? だってそうでしょう? 公共インフラは彼らが作って来たんだ。 役所の職員の叔父さんが家庭を顧みることなく全国を移動して 道や橋を作ってきた。 その成果を、私たちは利用して生活している。 その苦労をしてきた彼らを不要と言うのなら その成果の全てを利用しないと宣言できるのか? そして高齢化が叫ばれて久しい農業分野。 誰が農産物を作っているのでしょうか? 全てが世代交代できたわけでもないでしょう? このプランは年齢で人の要不要を分けている。 高齢者で農業を営んでいても、高齢だから不要という社会なんです。 わかりますか? 良きにつけ悪しきにつけ社会を作ってきた世代が 年齢で処分されようとする社会は絶対に間違っている。 そしてもう一つ。 少子高齢化社会が進むという日本において つまりは若い世代が自分の世代より少ないという事なんだから いずれ自分がその『処分の対象』になるという事も理解してる? 周囲から忌避され、不要とされ、白い眼を向けられるような事に やがて自分自身がなっていくのだという事を忘れてはいけない。 この制度があった場合の話。 そしてよく見てみよう。 彼らを『処分する施設』で働いているのは誰だろう? 彼らに『自らを処分しよう』と働きかける仕事をしているのは誰だろう? これ全て若い世代。 彼らはそれで給料をもらっている。 じゃあ、もし、制度が進んで対象の高齢者がゼロになったら? 若い世代は全てお役御免、リストラですね。 そうなってわかることがあるんじゃないですか? 『あぁ、自分も社会にとって不要な存在になってしまった』と。 そうなった時に、口では『潔く制度に従う』と言いながら あれやこれやと理屈をつけて嫌がるのは目に見えてる。 だから問う。 この作品が問うている。 『あらゆる人が天寿を全うしてはいけないのですか?』 難病を患っている人もいるでしょう。 既に末期の状態の人もいるでしょう。 元々先天的な問題を抱え込んだ人もいるでしょう。 事故などによって障害を抱え込んでしまった人もいるでしょう。 それらの人が 普通に天寿を全うできる社会こそ求めていくべき理想なんじゃないですか? 負担にあえいでいるから不要と思う人は その人たちが作ってきた社会の恩恵を受けて生きている事を思い出してほしい。 倍賞さん演じた主人公があの後どんな余生を送れるのでしょうか? 働くことはできるのでしょうか? 住む場所はどうするのでしょうか? 彼女の前途に希望があることを願ってやまないし 今の世の中をこの映画のような世界にしてはいけないと思う。 2022年7月3日MOVIX伊勢崎で鑑賞

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