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炎の少女チャーリー
2022年6月17日公開

炎の少女チャーリー

FIRESTARTER

952022年6月17日公開

Dr.Hawk

2.0

ネタバレ悲劇の上部だけをすくって、そのまま白湯に混ぜ込んだ、みたいな

2022.6.23 字幕 MOVIX京都 2022年のアメリカ映画(98分、G) 原作はステーヴン・キングの小説『Firestarter(1980年)』 1984年版のリブート作品 特殊能力を有する少女の葛藤と成長を描いたSF&ヒューマンドラマ 原題の『Firestarter』は「着火剤」と言う意味(一応、放火犯と言う意味もある) 物語はアンディ(ザック・エフロン)と妻ヴィッキー(シドニー・レモン)の間に娘チャーリー(11歳時:ライアン・キーラ・アームストロング)が生まれるところから紡がれる ヴィッキーがチャーリーをあやして寝かしつけ、そして部屋から出た途端、なぜかチャーリーに周りのものが燃え始めてしまう 別室にいて、異変を感じたアンディは、なんとかチャーリーを保護するものの、その「能力」の発動に危機感を感じていた そして映画はキャストロールの背景で、アンディとヴィッキーが「Lot-6」の治験に参加している様子が描かれていく 「Lot-6」開発者ジョセフ・ウォンレス博士(カートウッド・スミス)の研究予測通りに、アンディとヴィッキーに特殊能力が芽生えてしまう アンディは「心を操るテレパシー」、ヴィッキーには「サイコキネシス」によって物を動かす能力が備わっていた 物語は11歳になったチャーリーが、クラスメイト(ハンター・スモーリー)からいじめを受けるところから動き出す カエルの解剖でからかわれたチャーリーは怒りを抑えきれず、能力の発動を許してしまいそうになる なんとかトイレに逃げ込んだものの、抑えきれずにそこで小規模な爆発を起こしてしまう そして、担任のガードナー(ティナ・ジュン)の目撃によって、ルイス校長(ラネット・ウェアー)を交えた話し合いに発展し、警察沙汰にもなってしまう また、アンディが懸念する「ある組織」もその爆発をしっかりと感知していたのである 組織は、かつてアンディたちが治験を行った研究チームの後を引き継いだもので、今ではジューン・ホリスター(グロリア・ルーベン)の管理下にあった ホリスターは能力者レインバード(マイケル・グレイアイズ)に彼女らを追わせる レインバードも「Lot-6」の投与を受けているネイティヴ・アメリカンで、先住民が実験台に使われていたことに怒りを覚えていた だが、ホリスター率いるDSIの屈強さに誰もが手を出せ図、組織は秘密裏に育っていったのである 映画はドリュー・バリモアさんがチャーリーを演じたことで有名になった作品をリブートしたもの 私自身は、リブート元の『炎の少女チャーリー』はほとんど記憶になく、とりあえずスティーヴン・キング作品だから観ることに決めていた 物語は、レインバードによって母が殺されたチャーリーが、父親の協力を得ながら「核弾頭に匹敵する」と言われる火力をコントロールしようと奮闘する様子が描かれていく チャーリーは興奮すると爆発を起こすという性質になっていて、アンディは「押す(The PUSH)」能力で彼女をコントロールすることを躊躇っていた やがて、レインバードの追撃によって、ヴィッキーが犠牲になってしまう アンディはチャーリーを連れて逃げることを決意し森を彷徨う 追跡を恐れて車を放棄し、そして偶然通りかかった現地民のアーヴ(ジョン・ビーズリー)に助けを求めるのであった 映画はほぼ数十年前のリメイク&原作を踏襲した内容になっていたのだが、本作のデキはお世辞にも良いとは言えない 炎の演出もCG感が満載で、かつそれほどパターンもない 母の仇とばかりにDSIをボッコボコにするのかと思えば、謎の「復讐の連鎖はダメだよね」的な感じで攻撃をやめてしまうのもぬるくて仕方がない 何よりも、母を殺した張本人であるレインバードを殺さないどころか、最後は兄妹みたいな感じになって、砂浜を去っていくのだからタチが悪い どうしてこのエンディングになったのかをずっと考えていたが、どちらも家族を失った存在なので寄り添うというぐらいしか考えが及ばない ネイティヴゆえに迫害されて力を得た者と、生まれつき能力者であったチャーリーの苦悩が同質とは思えないので、共感し合うはずもないと思う チャーリーが完全な悪魔になるのを避けたというのが本懐だとは思うのだが、この話のスピード感でチャーリーが分別を弁えるというのは無理があるのではないだろうか DSIを完全に塵にして、「制御し得ないものを制御しようとした人類への報復」を描いた方がなんぼかマシだったように思える レインバードの扱いもそれほど深めに描かれておらず、どうやらアンディたちよりも先に実験されたような感じのセリフがあったのだが、「だからどうした?」という感じの微妙な設定になっているので、褒めようがない あえて言うなら、チャーリーが可愛かったのと、出産直後のヴィッキーはとても美人だった、と言うぐらいのものになってしまうので、むしろそっち方面で攻めた方が良かったのではないだろうか いずれにせよ、翌週にいきなり一日一回みたいな感じの減らされ方をしていて、やむを得ず禁を破って参戦することになった レビューサイトのタイトルで「ラストがね」と言う趣旨のものが多くて覚悟していたが、さすがにこのエンディングで素晴らしいとは言いようがない 暇つぶしに観るのなら止めはしないが、劇場で観るほどの特殊性もないので、配信まで待っても良いのではないだろうか

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