アンデス、ふたりぼっち
作品レビュー(1件)
- kic********
4.0点
2017年に、30歳で長編第一作として、この映画を撮り、ペルーで大ヒットさせ、 国際的にも評価されたオスカル・カタコラ監督。 しかし、2作目の映画を撮影中に病死という映画以上の衝撃がまず胸を突く。 映画の内容も現実の世界同様不思議で、精神的な世界を表現している。 この映画の主題は、息子=近代化、老夫婦=取り残された人を表しており、現在のグローバリゼーションによる二極化を隠喩的に批判している。 序盤はのどかな日常から始り、息子の帰りを待ちながら、徐々に困窮していく姿をリアルに描いている。 小津安二郎流のローアングルの固定カメラワーク、5,000メートルのアンデスの大自然、ペルーの少数民族アイマラ族の風土、文化、言語を垣間見ることができて、見どころは多い。 「アンデス、ふたりぼっち」は、徹底したアンデスの少数民族の物語であり、「地域映画」の金字塔として今後も記憶されるだろう。 原題の“WIÑAYPACHA”は、アイマラ語で「永遠の時空」を意味し、時間と自然と生命の永遠の循環を表している。
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