オルフェ

ORPHEUS/ORPHEE

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オルフェ
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(10件)

ファンタジー14.7%不思議11.8%ロマンチック11.8%切ない11.8%かっこいい5.9%

  • 一人旅

    5.0

    ギリシア神話「オルフェウス」の現代版

    ジャン・コクトー監督作。 フランスの詩人兼映画作家:ジャン・コクトーがギリシア神話「オルフェウス」を現代のパリに舞台を置き換えて映像化したものですが、マルセル・カミュの『黒いオルフェ』(59)同様、ギリシア神話をベースとしながらもとても観易い親切設計の娯楽映画に仕上がっていますので変に身構える必要はありません。 ギリシア神話・オルフェウスの現代パリ版であり、大まかな筋書きは原作通りではありますが、コクトーの独創性が随所に見られる摩訶不思議な映画となっています。“白昼夢”のような非現実感&浮遊感覚が全編を貫いていて、現代のパリを舞台としながらも、鏡を通じてこの世とあの世を行き来する光景が不思議な味わいとなっています。 組織の一員として働く女性の死神や、二人一組で任務を全うするバイク乗りの死者達、主人公オルフェの妻に恋してしまう死者等、あの世の住民があたかも現代の人間社会に身を置いているかのような立ち回りを見せている点に、ギリシア神話に対する現代流アレンジが利いています。そして、女性死神の「起きろ」の一声で寝ている人間をすっくと起き上がらせる場面で使われる逆再生や、鏡の中にぬるりと入り込んでいく場面、壁づたいに浮遊しながら横滑りしていく場面等、映像演出上の凝った仕掛けの数々にも驚かされます。 “ギリシア神話を現代流に味付けしたら…”を見事に魅せ切った、多才:ジャン・コクトーの独創的な演出手腕が発揮されたフランス映画で、予想に反して解り易く感情移入し易い娯楽作となっています。

  • cyborg_she_loves

    2.0

    コクトーの名前に威圧されないでください

     オルペウスとエウリュディケー(仏:オルフェとユリディス、伊:オルフェオとエウリディーチェ)の有名な伝説を、ジャン・コクトーが独自の感性で舞台を現代に移して再現した映画……  っていうタテマエなんですけど、おおもとのオルペウス伝説をよく知っている者の目から見れば、これは「再現」どころかオリジナルをズタズタに引き裂いた「デフォルメ」であり、率直に言って、ただの「パクリ」です。  原型をどれだけ再現してるかなんてどうでもいい、大詩人コクトーの感性が存分に発揮されていればいい、という意見には、私は完全に同意します。  もとのオルペウス伝説をどれだけブチ壊していようと、この映画が単体で、美しいとか、感動的だとか、恐ろしいとか、とにかく何らかの優れた点を持っていたならば、私は評価するのを躊躇したりしません。  私が☆2つしかつけないのは、実際この映画が、これ単体として見たとしても、面白くもなく、美しくもなく、感動的でもなく、深い人間洞察を持っているでもなく、要するに、いいところはなんにもない映画だからです。 1950年としては最先端の大胆な特撮技術を駆使して幻想的イメージを演出している苦心の跡は認めます。しかし同時に、バイクや自動車などの近代技術の産物が頻繁に登場してこのイメージを自分でブチ壊していると感じるのは私だけでしょうか。死の世界との行き来にロールスロイスが介在するって、ねぇ……  これを高く評価する人のほとんどは、これが「あの」オルペウス伝説を、「あの」コクトーが現代化した映画だ、という名前のオーラに威圧されているだけだと私は思っています。  皆さん、もしこれが、コクトーが脚本と監督をやったとはまったく知らず、たまたま気紛れにぶらりと入った映画館で上映されてるのを暇つぶしのつもりで見始めた、と想像してみてください。  それでもなお、自分はこれを「すごい!」と感激しながら最後まで見るにちがいないと断言できる人が、どれほどいるでしょうか?  *  以下、私が個人的にことのほか思い入れのあるオルペウス伝説を、なぜブッ壊していると私が感じずにいられないかの一端を書きます。小うるさいこと言うな、と思う方は無視してください。  もとの伝説では、オルペウスは詩人ではなく、竪琴の音に合わせて歌う歌人(うたびと)です。彼の歌う美しい歌声には、野の野獣や木々や岩や、さらには神々すら聞き惚れて活動をやめたといいます。  毒蛇に咬まれて死んだ妻エウリュディケーを追ってオルペウスが冥界へ旅立った時、冥界の門を守る恐ろしい番犬ケルベロスは、普通なら地上の者は決して通さないのに、オルペウスの歌声に聞き惚れて襲い掛かるのを忘れたので、オルペウスは冥界へたどり着くことができたのです。  要するにここには、「音楽」というものが持つ、神をも凌駕する神秘的な力が、神話の形で表現されているんですね。ところがこの映画では音楽の要素がバッサリと切り捨てられている。コクトーの音楽センスの欠如の表われです。  そして、同じようにオルペウスの歌に魅了された冥界の王ハデスは、決して振り返らないという条件つきでエウリュディケを連れてオルペウスが地上界への道を歩いて戻ることを許します。しかし、彼女が本当について来ているか不安になった彼は、ついうっかり振り向いてしまう。しかし、彼が振り向いたのは自分への愛のゆえだったと知っている彼女は、彼を決して責めはせず、「ありがとう、さようなら」という声だけを残して冥界へ引き戻されていってしまう。  ここには、どんなに深い愛ですら生と死の境界を越えることはできないのだという真実が神話の形で表現されているんですね。  ところがこの映画では、ユリディスだけでなくオルフェもあっけなく死んでしまう。ところが彼は死者の世界で、美女の死神を「愛してるよ」と言って熱烈に抱きしめるものだから、死神は彼のために時間を逆行させて、オルフェとユリディスが生きてて愛し合う状態にまで戻す、って、、、は? わけわかんない、って感じじゃないですか? これじゃオルフェとユリディスの愛の物語じゃなくて、オルフェと死神の愛の物語でしょう? ただの浮気男じゃないですか、オルフェは。  これ以上書かないけど、全編そんな調子です。

  • qaz********

    4.0

    美しすぎる妻

    この前の月曜渋谷TUTAYAでレンタルしました。 交通事故で妻が死亡します。 ベットに目を閉じて横たわっている様は美しいです。 女の死神も美人です。 死神が「起きて!」と叫ぶと魂の妻は跳ね起きます。 首のカフスを取って「私は?」と死神が聞くと「あなたは死神」と答え一緒に鏡を潜り死の国へ向かいます。 夫が「妻はここに!」と叫ぶと優しい青年の死神は「それは脱け殻だ。あなたの妻は死の国にいる」と答えます。

  • mkp********

    4.0

    コクトーにしか作れない不思議な映画

    不思議な感覚で妙に惹きつけられる映画であった。サスペンスとファンタジーを基調としつつも、変に現実的であったり、哲学的であったり、暗示的であったり。。。あまりにもいろんな要素が混じり合っていて、一言で言い表せない。 つっこみどころもたくさんあるのだが、余韻が残り、結局は後を引いてしまう映画なのである。ラストは陳腐なほどわかりやすいのだが、いかんせん、ラストに至るまでの過程が一筋縄ではいかず、不思議な印象を与えてしまう。 これが詩人の作品ということなのかと思ってしまうが、もうしばらくしてからもう一度見てみたい映画である。 演出によってはもっと緊張感を帯びて来そうな感があるので、星4つとさせていただきました。

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレツンデレ死神は純情派

    このレビューにはネタバレが含まれています。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

ヴェネチア国際映画祭第11回

国際評論家賞

基本情報


タイトル
オルフェ

原題
ORPHEUS/ORPHEE

上映時間

製作国
フランス

製作年度

公開日
-

ジャンル