オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-

LE TESTAMENT D'ORPHEE OU NE ME DEMANDEZ PAS POURQUOI/TESTAMENT OF ORPHEUS

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オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)


  • yiy********

    5.0

    石なき墓

    コクトーのごく個人的な映画。フランソワ・トリュフォーが製作費を出し、コクトー自らが主演を張っている他、ジャン・マレーやらピカソ夫妻やら、彼ゆかりの人物が多数カメオ出演している。そしてコクトーらしく、逆回しなどのチープだが工夫されたトリックがふんだんに用いられている。これを単なるコクトーのナルシシズム(あるいはオナニー)と受け取ってしまう人もいるだろう。しかし、かつて呪われた詩人マラルメが言った言葉を思い出して欲しい。曰く、詩人とは「詩人に生存を許さないこの社会にあって、孤立して自らの墓を彫り刻む者」であると。この作品はまさにコクトーが自ら刻んだ墓であり、詩人としての仕事を全うしただけなのだ。 なお、タイトルにある「オルフェ」とは、ギリシア神話に登場する詩人オルフェウスから取ったもので、コクトーが生涯こだわり続けた主題である。オルフェウスは、亡くなった妻を冥府から連れ戻そうとするのだが、あと一歩のところで後ろを振り返ったために逃してしまう。コクトーはこれを詩の創作に関する寓話と解釈していたようだ。詩人は死の世界の深奥に分け入って「美」を見出すが、それを現実世界の言葉で表現しようとするとき、「美」はすでに姿を消している。僕は詩人ではないし、ましてや芸術家の苦悩など知る由もないが、芸術が常に挫折する運命にあるということは分かる気がする。もし「完璧な芸術」が存在するとすれば、歴史は不要だろう。それは死に等しい。美は死に似ているが、死そのものではない。 確かコクトーの墓はフランスのミリー・ラ・フォレにあったと思うが、そこにあるのは彼の墓だけを納めた小さな教会、内部を飾るのはコクトーの手による壁画、そして彼の詩を生前に彼自身が朗読したテープが流れ続けているという。コクトーは様々な芸術に手を出し、それぞれの分野に少なからず影響を与えたが、それも全て、自分の墓を彫り刻むための手段=詩だったのかもしれない。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-

原題
LE TESTAMENT D'ORPHEE OU NE ME DEMANDEZ PAS POURQUOI/TESTAMENT OF ORPHEUS

上映時間

製作国
フランス

製作年度

公開日
-

ジャンル