作品レビュー(6件)
- 一人旅
4.0点
ネタバレはじめてのシュトロハイム
このレビューにはネタバレが含まれています。 - d_h********
5.0点
ネタバレ「知らない」という事は罪なのか
このレビューにはネタバレが含まれています。 - ********
5.0点
1922年。エーリッヒ・フォン・シュトロハイム監督。監督自身がロシアの伯爵に扮する詐欺師を演じています。モナコに来たニセ伯爵とその従姉妹を名乗る三人が偽札づくりの成功のためにアメリカ公使に近づこうとするが、、、という話。タイトル通り、公使の妻が愚かにも騙されてしまいますが、伯爵はお金とともに欲望も手に入れようとする。結局は同じようにだましていた自分の女中の怒りが爆発して、、、結末はお楽しみください。お金持ちの貴族の女性はともかく、身の回りのことをしてもらっているのに、さらにお金も、欲望も、と「女中」に多くを望むと破滅する、という映画です(ホンマかいな)。そういえば、直接の悲劇の原因は、やはり貴族ではないもうひとりの女性(知的障害)への欲望だった。 一度見たら容易には忘れられない容貌をもった主演&監督だからこそ成り立つ映画です。後に会社から解雇される原因にもなったという豪華なモナコのセットも美しいけれど、大げさな身振りなどを使わずに長回しやカットで感情を描きだす手法がすばらしいです。そして、従姉妹の2人が黒と白の服装に分かれていたり、アメリカ公使夫婦が夫40と妻20という年の差カップルだったり、と芸が細かい。嵐の場面のすばやいカット! 映画への自己言及映画にもなっていて、最初にセットが説明されるし、「愚なる妻」という小説も登場するし、部屋のなかの光を物質化して写したり、鏡を使って女性の着替えをのぞこうとしたりしている。それもまたよいです。
- man********
3.0点
『グリード』から『大いなる幻影』まで、この監督なにしてたんだろうか… シュトロハイムは完璧主義者で有名ということを聞いていたので、あの牛の生血も本物なんだろうか…あ、飲むんだ…といういろいろ想像してよりそわそわしてしまいました。 実際どうなんでしょうね… それにしても、テーマにしても、サイレントに似つかわしくないストーリー(セリフが多い)といい。とっても野心作ですね。よくユニバーサルは大金を投じたなと感心してしまいます。 小津を先どる正面の切り返しや、サイレントには珍しい空の実景等々、実験的な手法が多い。さらにドイツ人だからかやや表現主義的な美術、メイク、演出が見られます。 ストーリーのおどろおどろしさと相まって、いい効果が出ていると思います。 が、いかんせん見る前の情報によって製作サイドの困窮の方が想像できて気になってしました…。 人間の性悪について徹底的に描いたシュトロハイムの佳作です
- bakeneko
5.0点
いつの時代のどんな映画にも同じ風体で出てくる、映画界の“サンジェルマン伯爵”ことエリッヒ・フォン・シュトロハイムが、最もその素顔を現した作品のひとつです。 元は大長編だった作品を切り詰めたもの(彼の作品はそう言うのが多いですね)ですが、豪華なセットや悪魔的演出は十分堪能出来ますし、ストーリーも破綻していません。 モンテカルロに巣食う、“自称貴族”の胡散臭い一団と知り合った米公使夫妻の話を軸に、おどろおどろしい人間の欲望が描かれていきます。 とにかく、エリッヒ・フォン・シュトロハイムは自身が怪演すると共に、人間の恐ろしさを描いて容赦がありません。“絵”も怖いものが目白押しで、ラスト近くの突き放した非常なショットは、現代映画でも太刀打ちできない“怖さ”を示して私たちを心底震えあがらせます。
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