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女相続人 (1949)

THE HEIRESS

監督
ウィリアム・ワイラー
  • みたいムービー 9
  • みたログ 87

3.78 / 評価:23件

刺繍だって一角の才能だと思うけど

  • bakeneko さん
  • 2016年7月12日 7時52分
  • 閲覧数 870
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

「回転」や「メイジーの瞳」などの原作者であるヘンリー・ジェイムズの初期の傑作“ワシントン・スクエア”を基にした舞台劇の映画化作品で、19世紀のNYの上流階級の内気な娘の恋を中心にして周囲の人々の心理の綾を絶妙に曝け出して見せてゆく“人間葛藤劇+19世紀アメリカ社会劇”の名作であります。


NY社交界の名士である裕福な医者の平凡で内気な娘が、生涯一度の恋に依って過酷な現実を知らされる物語を中心として、ヒロインと周囲の人々を深く洞察していて、
平凡な娘に対する愛情はあるのだが、亡き妻への愛慕と比較によって客観的には“取り得の無い娘”と冷徹に判断している父親
文学主義が嵩じて、現実社会でもロマンチックな夢見がちな叔母
拝金主義で生活力の無い求婚者
―らの思惑と衝突を鋭い人間観察と心理解剖で描き出してゆく葛藤劇で、
引っ込み思案な内気娘→恋の情熱に命を燃やす乙女→冷徹な隠遁者…と変化するヒロインを、「風と共に去りぬ」でも本来の勝気な性格とは180度違う“純朴で大人しい娘:メラニー”を好演した:オリヴィア・デ・ハヴィランドが入魂の名演技で見せてくれます。

まだピューリタニズムを堅持していた東海岸の上流階級と拝金主義になっていく若い世代の相克や、
父親の娘への屈折した愛憎、
夢見がちで世間知らずの叔母が犯す現実の見通しの甘さと無責任さ
打ちのめされたヒロインの、人生への諦念と冷徹で醒めた“異性への忌避”
…といった衝突と愛憎を徹底して深い心理解剖で提示していくサスペンスフルな人間ドラマですが、随所にユーモアを塗している絶妙な語り口にも巨匠:ウイリアム・ワイラーの手腕が光っていますよ!




ねたばれ?
1、舞台や映画では、2~3年の時間経過ですが、原作では数十年を経る長い時間軸の物語となっています(ヒロインと元婚約者が再会するのはずーっと後)。
2、本映画で音楽と歌詞が効果的に使われる『愛の喜びは』(Plaisir d'Amou)は、ジャン・ポール・マルティーニが作曲した歌曲(作詞はジャン・ピエール・クラリス)で、1775年に創られました(後にベルリオーズが、小編成のオーケストラのための管弦楽曲として編曲しています)。
歌詞を紹介します―

愛の喜びは はかなくも消えて
愛の苦しみ 心深く残る
あなたは 私の思い見捨て
新たな愛に 身をゆだねた
この小川が 遠い海へと
野を越え 流れ続けるように
私の愛も
溢れ続くでしょう、と
この岸辺で
あなたは言ったのに

3、我が家で飲み会等で遅くなる連絡を忘れるとこの映画のラストシーンの再現になります(―ごめんなさい)

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