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女の秘密 (1928)

THE MYSTERIOUS LADY

監督
フレッド・ニブロ
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5.00 / 評価:2件

サイレントの中にある夢の声

  • bakeneko さん
  • 2011年11月25日 12時52分
  • 閲覧数 197
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

グレタ・ガルボの6作目(とはいってもハリウッドデビューから2年目)の主演作品で、第一次世界大戦前夜のオーストリア軍人とロシア女スパイの恋を、幻想的なまでに美しい映像とオペラ的な演出で魅せてくれます。

2011年現在、本作は日本ではソフト化されていませんが、ガルボの写真集やポートレートの代表的なスチール写真に、この映画の沢山の場面が引用されています。
本作は後に「マタ・ハリ」や「ニノチカ」でもお得意の役どころとなる女エージェントをガルボが演じた最初の作品で、男女の恋の駆け引きと情炎をメロドラマ性とサスペンスを上手に盛り込んで魅せてくれます。
本作は映像の美しさが特徴で、野外撮影では自然光を生かして、陽光や月光下でのロマンチックな空間を創り上げていますし、車でのドライブシーンも“嵌め込み合成映像”ではなくて、本当に車を走らせているので、風にそよぐ髪の様が輝いています。そして、水面に映る絵や木漏れ日の中でのロマンチックな情景は、モノクロの柔らかく朧げな映像に依って夢幻的な煌めきを放っています。
また物語の重要なモチーフとして、プッチーニのオペラ:「トスカ」が使われていて、映画の隠しテーマともなっています。オペラ劇場での出会いから、サロンでの歌の披露、再会時での歌のリクエスト等、直接的にも引用されていますし、クライマックスのシークエンスを始めとした“物語の相似性”でもロマンチックな暗喩となっているのであります。
そして、この“ガルボがトスカを歌う”シーンのドラマチックなカタルシスは、公開当時にこのサイレント映画を観た観客だけが経験できた―ガルボの歌声―なのであります。
この感動は「アンナ・クリスティ」で、彼女の声がハスキーであることを知る前の観客のみが聴くことが出来た“夢の声”であり、サイレント映画だから表現できた“幻の至上の歌声”なのであります。

美男美女が織りなす“夢の様な恋のロマン”を、映画本来の特質である“美しい幻想”として堪能させてくれる作品で、映画が音や色彩を得る事によって失った美しい物(=想像力)もあることに気づかせてくれます。


ねたばれ?
ロシア軍の情報拠点として描かれるワルシャワは、現在ではポーランドの首都ですが第一次大戦前夜の時点ではロシア領でした。

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