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會議は踊る

會議は踊る

DER KONGRESS TANZT

84

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3.0

そこまでいい作品だとは思わない

会議は踊る。 ぼくが借りたDVDには淀川長治氏の解説がついていた。淀川長治氏はこの映画を綺麗な映画だと評していたけれど、いまいち分からなかった。この映画は、ナポレオン没落後の「ウィーン会議」を舞台にしたミュージカルラブコメディだが、それにしてはどこかキレの悪いシーンが多すぎる、いまいちパッとしない映画だと思う。 カメラの動きや役者の動きが、傑作と言えるものからは一段階遅く、また意味が少ない。長回しも必要性が分からないし、とある役者の歌があまり上手ではないと感じられたシーンもある。 またコメディの演出にしては、凡作クラスであり、最高に効果的な瞬間や見え方から常にいつも少し外れており、また狙いがとても分かりやすく、結局のところ凡俗になってしまっている。コメディは決して簡単な芸術ではない。もっと念入りにやらなくては良いコメディは生まれない。ミュージカルも各役者の息がぴったり合うようでなければダメだ。ここのところをこの映画はちょっと適当に流してしまっている。豪華衣装やセットももったいない。シーンの画の撮り方もあまりよくはない。 ただ、良いのは大筋である。これはよく考えられており、全体的にはまあまあ楽しめる。しかし細かい部分で粗がかなり多く見つかるため、結果的に魅力が半減されている。キャラクター性は、メッテルニヒやアレクサンダー、ビビコフといった一貫性のあるキャラクターは見事に描けている。しかしクリステルやピピといった感情豊かにさまざまな行動をするキャラクターはあまりよく描けていない。これは役者が悪いのか、監督が悪いのか、いまいち分からないが、多分後者だろうと思う。ここでどういう物語の情感を生み、どういう効果を観客に与えたいか、きっちり決まっていなかったんじゃないかと思う。だからここの効果が曖昧なままになっており、それがキレの悪さを生んでいるんだと思う。 クリステルの歌は悪くない。悪くないが良くもないと思う。これも多分監督のせい。歌詞はいいのに映し方が良くない。淀川さんもあまり参考にならないときがある。著書も読んだけど……。

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