快楽

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快楽
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(2件)


  • bakeneko

    5.0

    ネタバレ愛は歌の様に、恋は花の様に…

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • gar********

    5.0

    映像の「快楽」

    ギイ・ド・モーパッサンの3つの短編を映画化した作品。『輪舞』や『歴史は女で作られる』のマックス・オフュルスが、1952年当時のフランス映画の俳優たちを擁して作ったオムニバス映画です。 第1話「仮面の男」…パリッ子に人気のダンスホール。そこで倒れた一人の男を介抱した医者(クロード・ドーファン)。倒れた男には驚愕の正体が隠されていた。 第2話「メゾン・テリエ」…町の男たち全員が常連の娼館。そこのマダム(マドレーヌ・ルノー)と女たち(ダニエル・ダリュー他)が田舎で過ごした休日とは。 第3話「モデル」…美しいモデル(シモーヌ・シモン)をミューズに成功を収めた画家。しかし、女は男を苦しめるようになってしまう。  オムニバス映画は数多いですが、ストーリー以上に映像美で見せることで名高いのが本作です。まず素晴らしいのは、冒頭の第1話。ダンスホールに入る男を追いかける滑らかな動きは、見る人をあっと言う間に話に引き込みます。耽美的でもあり、リアルでもありそしてため息がでるほど美しい…まさにカメラワークの至宝ともいえる見事さです。そんな映像美で見せる本作の一番の見所は、第2話の「メゾン・ティリエ」です。普段は、男たちに身を売る女たちが、たった1日だけ娼館のマダムの姪の聖体拝領に出席するために田舎へやって来ます。賑やかで色っぽい女たちの旅の様子をカメラが見事にとらえています。特に素晴らしいのは、マダムの弟(ジャン・ギャバンが良い!)が迎えにきた荷車で村まで移動する場面。晴れわたる美しい田舎道を異動する馬車を野外を移動撮影でとらえていますが、まるで印象派の絵画から抜け出てきたようです。この移動撮影の流麗さは、『會議は踊る』の馬車に揺られるリリアン・ハーヴェイに匹敵するものだと思います。この映像の凄さは、モノクロですが「色」を感じさせる所です。澄みきった青空と女性たちのカラフルな姿にウットリさせられます。  そして、忘れていけないのが俳優陣。話ごとに違う俳優陣が出てきますが、一番印象深いのが第2話の俳優たちです。特にダニエル・ダリューとジャン・ギャバンでしょう。ダリューが扮するのは、「歌っているか、飲んでいるかどちらか」な娼婦ローザ。くわえ煙草も艶っぽくて魅力的ですが、何といっても素敵なのは、マダムの姪に見せる母性溢れる姿です。快楽に生きる女が見せる優しさが心にしみます。ダリューと言えば、フランス映画史上屈指の美女といわれた人。『たそがれの女心』や『輪舞』の貴婦人役も良いですが、本作のローザ役は、絶品です。そしてギャバン扮する気の良い田舎の親父リヴェ。めったにお目にかかれない、都会のご婦人方(みんな個性的で、素敵です)にデレデレしつつ、何かと世話を焼く様子は非常にユーモラスで味があります。ギャバンといえば、後年の『地下室のメロディ』のようなギャング映画の渋いギャング役や若き日の『望郷』のペペが忘れがたいですが、このリヴェ役のようなお茶目な役もよく似合うと思いました。  原作の面白さを映像美で見せる一品。映像の「快楽」を堪能できる傑作です。

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