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鏡の中にある如く (1961)

SASOM I EN SPEGEL/THROUGH A GLASS, DARKLY

監督
イングマール・ベルイマン
  • みたいムービー 8
  • みたログ 58

3.95 / 評価:21件

孤独と絶望の闇の中で見出したもの

  • 一人旅 さん
  • 2014年2月19日 21時59分
  • 閲覧数 1104
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

第34回アカデミー賞外国語映画賞。
イングマール・ベルイマン監督作。

【ストーリー】
作家の父親ダヴィッドは娘カリン(ハリエット・アンデルソン)、その夫マルティン(マックス・フォン・シドー)、そして息子ミーヌスと共に島の別荘で過ごしている。カリンは精神を病んでいるのだが、夫マルティンはそんな妻を愛し続けていた・・・。

序盤の平和な家族の風景が徐々に変化していく。家族4人で食事中、ダヴィッドが突如席を立ち家の中で一人泣くシーン。一見幸福に満ちた家族が抱える苦しみや悲しみを観る側に想像させてくるのだ。

ダヴィッドは妻が死んだ時も仕事を優先していた。家族への愛を持てずに生きてきた孤独な人間だ。マルティンに愛されているカリンもまた、夫への愛よりも、カリン自身の深い心の闇が生み出した偽りの神に救いを求めてしまう。まるで、愛を持てないダヴィッドの孤独な心が娘にも伝染してしまったかのようだった。

そして、カリンの病状は徐々に悪化していき、ついには廃船で実の弟と肉体関係を結んでしまうまでに至る。カリンの精神は狂気と絶望の淵に突き落とされてしまった。終盤、蜘蛛の姿をした想像上の神と対面したカリンが我を失い絶叫するシーンがとても恐ろしい。

「愛が神なのだ.....................」
ダヴィッドの言葉に救いを感じた。何かにすがりたいと願う人間の心が、孤独と絶望の闇の中で、愛にその答えを導き出したのかもしれない。ダヴィッドの孤独な心に、初めて家族への愛が芽生え、尚且つそれを確信できた瞬間ではないだろうか。
愛は神同様、人間の生きる拠り所なのだと思う。父と同じように愛を持てない(相手の愛も感じられない)カリンには拠り所が存在していなかった。家族はいるけど常に孤独だったはずだ。もしかしたら、カリンには救いは訪れないのかもしれない。でも、父ダヴィッドには愛の回復という救いがもたらされた。カリンもきっと・・・・・。そう感じさせる希望あるエンディングだったと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 恐怖
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
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