kin********
2.0点
ネタバレ私には高尚すぎる
カンヌのグランプリ作ということで、切々と人間の悲しみを描き、反戦につなげているのはよく分かります。端正なモノクロ映像、キャストも充実。優れた芸術作品でしょう。 しかし、私にはあまり響かない。“記憶喪失もの”は、今となっては陳腐な感じ。当時としては斬新だったのでしょうか? 男は体型や面影が変化していて、女としても夫と確信を持てない、という設定が納得できません。それはいいとしても、もっと積極的に本人確認すべきで、その方法はあると思うのですが 。セックスするというのが一番簡単で確実と思います。この当時でも、描写の方法はあったはず。 ラストシーンの前、どこかで女は男が夫だと悟っていたのかもしれません (二人でダンスを踊った時? 実はこれがセックスを暗示している?) 。 でもそうという、はっきりとした描写はありません。 ということで、男が名を呼ばれて両手を挙げる悲しい条件反射、私にはこのラストシーンだけの映画です。 「第三の男」が印象深い名優アリダ・ヴァリの演技が見たい、という人は必見作。 女の現在の恋人、運転手をもっと活躍させたらストーリー展開にぐっとメリハリがついたと思います。そんな通俗的な作り方をして欲しかった。
閲覧数707