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影なき淫獣 (1973)

TORSO/I CORPI PRESENTANO TRACCE DI VIOLENZA CARNALE/BODIES BEAR TRACES OF CARNAL VIOLENCE/CARNAL VIOLENCE

監督
セルジオ・マルチーノ
  • みたいムービー 4
  • みたログ 27

2.50 / 評価:10件

コテコテのイタリアンホラーサスペンス

  • kug***** さん
  • 2014年10月13日 12時00分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジャーロ(ラテン語で「黄色」 黄ばんだ質の悪い紙に印刷された大衆小説等のこと、つまりはペーパーバックやパルプマガジンの意味だが、そこで人気のあった犯罪小説やミステリーを指し、さらにはそれを原作とした映画を指し、イタリア映画らしい「おびただしい流血をともなう猟奇的で残酷、猥褻で低俗なものの別称」となっている)の旗手といわれ「ダリオ・アルジェント」「マリオ・ボーヴァ」と並び称される「セルジオ・マルティーノ」による「ジャーロ映画5部作」の最終作。(ちなみに4作目の原案はエドガー・アラン・ポーの「黒猫」)
 英題は「トルソー」で、言うまでもなく美術のスケッチなどに使われる無味簡素な胴だけ人形のように人体がバラバラにされることを指している。つまりはそういう映画。殺人鬼から逃げ回る女性は、隠れて息を潜めながら死体が糸鋸でバラバラに解体され捨てられる様子を震えながら見つめ続けることになる。
 かのQ・タランティーノの絶賛したらしいジャーロの傑作です。

 麻薬や性行為にふける若者たちが、次々に惨殺される連続猟奇殺人事件。執拗に刺され続けていたり、顔面を破壊されたり、目を潰されたりと殺すためでなく、残酷に殺すことを目的とした殺人の数々だ。
 遊びたい盛りなのに幼馴染のステファノに言い寄られて辟易している美大生のダニーは主人公の留学生ジェーン(スージー・ケンドール)にそのことを話す。最初はうらやましがっていたジェーンだが、ステファノがしつこく、しかも猟奇殺人犯人と同じスカーフを巻いていたという話にダニー同様、彼を恐れる。
 そんななかでジェーンは大学で教授と懇意となる一方、共通の友人までもが殺され気晴らしにダニーの親戚の別荘で男たちを連れ込んでバカンスと乱交パーティ。だが、別荘の傍にはダニーを追って来たらしい招かざるステファノの姿が…。おびえるダニーとジェーン。
 足を捻挫したジェーンは偶然にも道中で出会っていた若い医師と再会し、治療をうける。鎮痛剤の眠気で一人だけ先に眠るジェーン。目覚めると4人の友人とステファノが死んでいた。そこに犯人と思しき男がやってきて、死体の解体を始める。隠れているしかないジェーン。いったい犯人は!?

 ダニーが好きすぎて性的不能になっていて、かなりヤバい状態のステファノを描写しておいて、実はミスリードという展開に唖然とさせられ、怪しい人物登場人物多かれど決定的に怪しい者はいない状況に主人公ジェーン同様見ているほうも混乱します。

 正直、ミステリーとしての部分は伏線が適当すぎて納得できるようなできないような。日本の2時間サスペンス以下のネタ晴らしで、実は「被害者に恐喝されていた」とか「幼少期に兄が女の子にからかわれて事故死したトラウマからの女性憎悪」といった崖の上での犯人の告白以下の後付的な展開ではあります。
 しかしながら、この手のジャンル映画としてはコテコテのお約束であることはいうまでもなく、この映画の場合サスペンスとしてのアプローチが見事で見せ方やカット割が非常に上手く、残酷シーンやお色気シーンも盛り沢山な見事な娯楽映画として、同ジャンル映画内でも頭ひとつ抜きんでています。
 駄作の多いボーヴァや大家と呼ばれながらもやっぱりイマイチなことが多いアルジェントよりも知名度は低いものの実に味わい深い絵作りができています。

 スージー・ケンドル、ティナ・オーモンをはじめ、女優が美人ぞろいなのもいいですね。それが無残に惨殺されるのには人によっては実に不愉快であり、逆にそれだらこそ良いって人もいると思いますが。私のように「その不愉快さこそが面白い」って人も少なくはないでしょう。

 ジャンル的に嫌いじゃない人には見ていただきたい一本です。
 評価的にはせいぜい3、5なんですが、5段階評価なので他と差別するために4にしておきます。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • 絶望的
  • セクシー
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