ここから本文です

カサンドラ・クロス (1976)

THE CASSANDRA CROSSING

監督
ジョルジ・パン・コスマトス
  • みたいムービー 46
  • みたログ 685

3.89 / 評価:240件

恥ずべき過去と憂うべき未来の物語

  • alan smithee さん
  • 2007年4月15日 22時38分
  • 閲覧数 524
  • 役立ち度 17
    • 総合評価
    • ★★★★★

 鳥インフルエンザやO157等々、ウィルスという奴は単細胞生物故、比較的短期間のうちに抗生物質やらワクチンやらへの耐性を持った突然変異体に変容するから始末におえない。
 ましてや、それに人類が何らかの作為をし、新たな突然変異体を生み出したとしたら・・・

 アメリカ政府が国連機関を利用して秘密裏に開発した伝染病ウィルスが、その盗難を目論んだテロリストに感染、CIAはそのテロリストが乗り込んだ大陸横断列車の乗客もろとも“証拠隠滅”を図ろうとする・・・
 「カサンドラ・クロス」は、人類がウィルスに翻弄される21世紀を予見したとも言える映画です。

 出演はリチャード・ハリス、バート・ランカスター、エヴァ・ガードナー、ソフィア・ローレン、リー・ストラスバーグ等々、超豪華。
 そうそう、“あの”OJ・シンプソンも出演しています。

 子供の頃、単純なアクション映画として楽しんだ映画だけど、再見し、ウィルスの開発をしていた国連機関がWHO(世界保健機関)ならぬ、IHOだったり(IHOは“国際水路機関”だよね)、CIAがICRC(赤十字国際委員会)と結託して、ウィルスが蔓延した列車の“証拠隠滅”を画策したりと、もうとにかく、人類の平和や健康増進に貢献すべき国際機関がことごとく悪人に徹していて、相当、過激な映画だったことに気づきました。

 見所としては、やはり、オールスター・キャスト・ムービーの醍醐味かな。
 相変わらずダンディで格好いいリチャード・ハリスは言うまでもなく、脇役陣もかなり魅力的です。

 ソフィア・ローレンは、正直言うとあまり好きな女優さんではなかったんだけど、この映画で好きになりましたね。
 やっぱり映画映えする容姿だし、初めは高飛車で厭な女性だったのが、列車の中で蔓延する伝染病に毅然として向き合い、感染者の看護を行ううちに、人間として成長していく過程が映画に厚みを与えています。

 そして、この映画のキーパーソンは、やはり名優リー・ストラスバーグ演ずるユダヤ人の詐欺師でしょうね。
 ユダヤ人故、第二次大戦中にドイツ軍の迫害にあった過去を持つその詐欺師は、自分等を乗せた列車がポーランドに向かっていることに気づき、それまでの陽気な人柄を一変させ、自らの命を絶つ決断を下します。
 そう。第二次大戦中、ユダヤ人は、密封された列車に乗せられ、ポーランド南部の街アウシュビッツに送られ、それっきり帰って来ることはなかったのだから・・・

 「カサンドラ・クロス」の面白さは、正にそんな過去の忌まわしい歴史と、近未来起こるであろう新兵器(細菌)開発にかかる悲劇を巧みにリンクさせた、その脚本の素晴らしさに起因するように思えます。
 
 

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • スペクタクル
  • ロマンチック
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ