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風と共に去りぬ (1939)

GONE WITH THE WIND

監督
ヴィクター・フレミング
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4.12 / 評価:865件

大傑作金字塔、ヴィヴィアン=スカーレット

  • shinnshinn さん
  • 2019年5月28日 3時55分
  • 閲覧数 1547
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

恋愛映画なんてカッタルイのだが、これは何回観ても面白い。美しいヴィヴィアン・リーもいいし、クラーク・ゲーブルの<したり顔>も大好き。毎回、新しい発見がある。ヴィヴィアン・リーは主演女優賞を獲得したのだが、クラーク・ゲーブルにも主演男優賞を上げたかった。


1939年アメリカ公開のハリウッド映画。戦争で風雲急を告げる時代だったため、日本で劇場公開されたのは制作から13年後の1952年です。小林桂樹さんは戦時中、出征先のシンガポールでたまたま本作を観たそうだ。直感的に「こんな映画を作る国に、勝てる訳がない」と思ったとか。


戦前の無数の映画の中で今観ても、ウエルメードだと言える映画はそんなにはない。多くの作品が賞味期限切れなのだ。鑑賞に堪えられない作品が多い。本作は<奇跡>の映画だと思う。80年前にこのクォリティーとは驚きだ。お金もかかっています。自分が小、中学生の頃は、大晦日の夜に鳴り物入りでテレビ放送していた貴重で特別な作品でした。


本作が「嫌い」と言う人の理由の90%が主人公スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)の自己中心的な人間性だと思う。確かに<嫌な女>なのだが、何回も観ると映画のキャラクターとしては実にチャーミングに思えて来ます。彼女の妙につり上がった右の眉毛は、M男にとってご褒美でしかない。<愛されキャラ>ではないけれど、その美しさは誰もが認めざるを得ないのではないのか。淡緑青灰色の目がキレイだ。


ヒロインの選考には難儀したらしい。ヒロイン未定のまま、アトランタの大火事のシーンから撮影に入ったそうだ。当時、アメリカでは、まだ無名に近い英国出身の女優・ヴィヴィアン・リーを、この超大作のヒロイン・スカーレット・オハラ役に抜擢した大物プロデューサー・デヴィッド・O・セルズニックには拍手を送りたい。彼女を初めて見たとき即座に「スカーレット・オハラがここにいる」と言ったとか。ご慧眼だ。今ではこの役はビビアン・リー以外では考えられない。


相手役のレット・バトラーを当時の国民的大スター・クラーク・ゲーブルが演じます(この方の別の傑作「或る夜の出来事」(34)もいい)。自信たっぷりで、豪放磊落なレット・バトラーが実に魅力的だ。ブルドックのような面構えをしたワイルドな二枚目だ。当時若干38才。日本の30代の俳優で誰があの貫禄を出せるだろう・・・。スカーレットには上から目線で、いつも憎まれ口をたたくのだが、実は心の底からスカーレットを愛している。この男の唯一のウィークポイントがこの美しきワガママ女なのだ(彼女の怒った顔や、驚いた顔が可愛くてしょうがない)。おそらく、じゃじゃ馬のような性格のキツイ女を、自分好みに調教するのが大好きなS男なのかもしれない。


男なら、本作のレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)に憧れない訳にはいかない。いつも強気だ。「君も淑女じゃない」と言い放ち、「愛していない男と結婚して楽しいか?」とニヤニヤしながら皮肉まじりにスカーレットをおちょくる。産業力で劣っている南部が、気概だけで北部に勝てるのか?と冷静に状況分析をする。堂々としていて、頭も切れる。男の理想だ。この役は初めゲイリー・クーパーにオファーされたらしいが、クーパーは辞退している(賢明な判断だ、クーパーじゃ、あの強引な力強さは出せないと思う)。レット・バトラー役もクラーク・ゲーブル以外には考えられない。


他の登場人物たちも、いちいち素晴らしい。特に、スカーレット・オハラとは対極的なメラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド。なんと、まだご存命です。この方と妹のジョーン・フォンテインは東京生まれ)のキャラクターが秀逸。慈愛に満ちた聖女のような女性。もう、嫁にするなら絶対こっちでしょうが(笑)。紳士的な知性派だが、どこか気弱なアシュリーもいい。スカーレットはグイグイ来る力強い男よりも、物靜かなこの男がお好みなのだ。ここが物語の重要なファクターになっている。自分勝手な女と自信家タイプの男が、似たもの同士で意気投合すれば、メデタシ、メデタシなのだが、それじゃ映画にはならない。父親役のトーマス・ミッチェル、乳母のマミー(黒人で初めての助演女優賞を受賞。オリヴィア・デ・ハヴィランドも助演でノミネートされていました)、メイドのプリシー、みんないい仕事をしています。人種差別的な描写が<いかがなものか>という指摘もあるらしいが、南部という土地柄と時代背景なのでこれは致し方ない。


最後にレットが屋敷から出て、朝霧の中に消えて行く場面は、映画史に残る名シーンだと思う。エンディングでスカーレット・オハラの「あしたに希望を託すのよ」と言うセリフは有名。この立ち直りの早さが救われる(笑)。鮮やかに燃えるような大地の夕焼けとマックス・スタイナーの主題歌「タラのテーマ」が印象的。

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