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赤い航路 (1992)

BITTER MOON/LUNES DE FIEL

監督
ロマン・ポランスキー
  • みたいムービー 37
  • みたログ 359

3.78 / 評価:74件

『エゴイスト』と罵られた男のレビュー

  • 一発太郎 さん
  • 2009年4月20日 4時13分
  • 閲覧数 829
  • 役立ち度 23
    • 総合評価
    • ★★★★★

Yahoo映画では「男と女の極限下のエロティシズムを描いた文芸大作を、ロマン・ポランスキーが映画化」とある。しかし自分はこの作品で描かれる倒錯した男と女の営みが“極限下”かと言えば案外そうでもないと感じた。

浮気や不倫はもとより付き合っていた異性や配偶者との性生活に
おいて決して他人に言えない行為をした人っていうのは結構いる
のではないだろうか?

男と女が出会い、お互い好意を抱き、そして体を重ねあう。

ひとつになった時にどう感じるか?体の感覚だけではなく心の感覚。

極論で言えばSEXをしている時に
“死んでもいい”と感じることがあった。

こんな相手にはそうは出会えないと思う。

出会ったなら当然しばらくは蜜月の時間が続く。
会えばお互いの体を貪りあい、毎回オーガズムを得る。
そのうち二人は片時も離れられなくなり同棲状態となる。
同棲っていうのは難しいもので、外で会っていた時よりも、
その“見も心も捧げる”といった気持ちが加速しだしていく。
車に似ていてスピードが増すとまわりの景色が見えなくなり、
たまにはゆっくりと外の景色を見たいなぁなんて気持ちが出てくる。
つまり四六時中一緒にいることが億劫になり、違う異性や友達と遊びたくなる。
特に男が先にこんな感情を抱く傾向にあるような気がする。

そうして絶妙に保たれていたお互いを思う感情に微妙なズレが生じてくる。
こうなればもう蜜月の時は過ぎ去り、一気に下降していくのだ。
女は外で遊んでいる男に嫌味を言い、男はそんな女がうっとおしくなる。
ケンカが絶えなくなり、“愛”と信じていた感情は“憎しみ”へと変貌を遂げる。

こんな感じ。


この作品ではこのような愛憎劇がとても忠実に描かれており、恐ろしいほどに感情移入してしまった。しかしながら、この作品における視点というのは基本主人公である“車椅子のオスカー”なのだが、観ている側が自然と登場人物4人それぞれへの感情移入をしてしまうことがすごい。男2人、女2人、それぞれにである。
『エゴイスト』の成れの果てや『かわいい女』の変貌ぶり、倦怠期を迎えている『常識的な夫』と『秘めた欲望を持つ妻』がとても誠実かつ丁寧、そして辛辣に描かれている傑作です。

過激とも思える行為やアブノーマルなシーン・台詞もあるにはありますが、真摯に性愛を訴えていて、とても好感が持てました。

『究極』とも言える色恋沙汰。あなたも経験する可能性は十分あります。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • 恐怖
  • 絶望的
  • 切ない
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