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喝采 (1954)

THE COUNTRY GIRL

監督
ジョージ・シートン
  • みたいムービー 17
  • みたログ 156

3.70 / 評価:33件

モノクロでもカラーに見える

  • daw******** さん
  • 2010年4月12日 0時44分
  • 閲覧数 462
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

「銀幕のスター」という言葉は、おそらく日本だけで有効な
しかも随分と以前に死語となってしまった言葉なんでしょうが
本当にその銀幕の向こう側にしか存在しないんじゃないかと
思われるほどに、現世を超越したような美しい女優さんが
いるもので、わたしが真っ先に思い浮かぶのが今回、御紹介
する「喝采」でアカデミー主演女優賞を獲得する
グレース・ケリーです。
モンローが濃厚なセックスアピールで大衆を魅了したのとは
対照的に気品ある美しさで大衆から憧憬の対象とされたのが
グレース・ケリーでした。
裕福な家に生まれ育ち、生まれながらに品を備えた彼女の
美しさに美人好みのヒッチコックが「ダイヤルMを廻せ」
「裏窓」「泥棒成金」に起用したのも頷けます。
21歳から27歳までの輝かしい時期にわずか7年ばかりの
女優生活でしたが、映画史に残る大スターです。

「喝采」は1954年、グレース・ケリー24歳の時の
作品です。24歳とは思えぬ落ち着いた演技で、共演した
ビング・グロスビーやウィリアム・ホールデンを相手役に
廻しても全く引けを取らずに圧倒的な存在感を見せてくれます。
モノクロ作品なんですがグレース・ケリーだけはカラーの
ように色合いが滲み出て輝いて見えてくるのが不思議です。
この3人の微妙な三角関係をベースにストーリーは展開して
いくのですが、本もしっかりしていますし、何より3人が
それぞれ演じる役柄の心模様、それは葛藤が多くを占めるの
ですが、実に巧みに表現しているところが見所です。
現実生活でもこの3人が三角関係にあったというのも違和感無く
受け取れるのは間違いなく、この作品の仕上がりの良さから
来るものでしょう。

ブロードウェイの若い演出家バーニー(ウィリアム・ホールデン)は
新作の主演者にフランク(ビング・クロスビー)という今は酒に
溺れ、落ちぶれてしまったミュージカル・スターを周囲の反対を
押し切ってまで起用することにします。しかし、フランクは
舞台稽古でも落ち着かずに、酒を頼りにします。バーニーが
落ちぶれた原因を問いただすと1人息子ジミーが自動車にひかれ
死んでしまってから妻のジョージー(グレース・ケリー)は
酒を飲みはじめ、何度も自殺を図ってフランクを困らせると
いうのです。ジョージーの存在がフランクを駄目にしていると
了解したバーニーはジョージーに辛く当たり、彼女をフランクから
遠ざけようとします。
ある日、泥酔し留置場に入れられたフランクを引き取りに行った
バーニーは先に来ていたジョージーとぎこちない会話を交わすの
ですが、このとき、バーニーはある事実を知ることになります。
ジミーが死んでから、酒に溺れ自殺未遂を続けたのが実は
フランクだったのです。この瞬間、バーニーは献身的に夫を支える
ジョージーに愛情を覚えるのでした。そして、ジョージーも。
公演に成功したフランクは、ジョージーにバーニーと一緒に
なるよう願って別れを告げるのですが・・・

内容的にすべてがしっかりとしていないと、ソープオペラのような
駄作になってしまうのですが、映画としての要素がぎっしりと
詰まっているために、見応えのある作品になっています。
元々、舞台劇ですのでやや閉塞感もありますが、クロスビーの
甘い歌声もあって決して飽きることはありません。
ハリウッドがまだ人間模様を描くことで人々に感動を与えていた
時代の名作だと思います。

その後、グレース・ケリーはモナコ公妃となって、一男二女を
もうけ幸福な生活を送りますが、自動車事故のため52歳の若さで
世を去るのは周知のことです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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