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喝采の陰で (1982)

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監督
アーサー・ヒラー
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3.73 / 評価:26件

もうひとつの「クレイマー、クレイマー」

  • Kurosawapapa さん
  • 2011年6月27日 8時11分
  • 閲覧数 630
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

と言われている本作は、「クレイマー、クレイマー」の3年後の1982年に作られた作品。

アイバン(アル・パチーノ)はブロードウェーの人気作家。
妻のグローリアとは再婚で、息子と彼女の4人の連れ子は、父親であるアイバンを心から愛しています。
そんな家族にいつしか亀裂が。
グローリアが子供を残したまま、愛人のもとへ、、、


・子供を家に残したまま出て行ってしまう母親
・子供の面倒で孤軍奮闘する父親
・家庭の問題で仕事に支障をきたしてしまう

この辺は、「クレイマー、クレイマー」と同じ流れ。

「クレイマー、クレイマー」で描かれていた鼻の大きさを語る笑い話は、本作でも描かれており、やはり不動の名作へのオマージュでしょうか。

確かにアル・パチーノとダスティン・ホフマンの鼻の形、、、似ています。




夫婦の関係に亀裂が走ると、生活に狂いが生じ、仕事が上手くいかず、家族が崩壊していく、、、
そんな流れが、繊細に描かれた本作。

冒頭、誕生日に夫が仕事で出かけるというだけで動揺、
また、3日も無断で家を空け、朝もフラッと外出してしまうグローリア。
さり気ない日常の中に描いた、どこか異常な側面。

一方のアイバン(アル・パチーノ)も、人の名前を言い間違い、仕事とプライベートの区別がつかなくなり、
忍び寄る精神の不安定が、綿密に描かれています。



また、アーサー・ヒラー監督ならではの、こだわりの演出。

・「ジョギングを付き合え」と言われた息子が、「お断りさ」と言った次の瞬間、一緒に走っている
・アリスに「引っ越しはダメだ」と言った次の瞬間、椅子を運んでいる

この演出は “逆手の話術” という手法。

否定する台詞で場面を終え、続く場面で否定していたはずのことがあっさり成される、という展開に、観客は思わずコケそうになります。

冒頭でも、アイバンが俳優を解雇するのかと思いきや、解雇するのは演出家の方、
また、スターを獲得したと言いつつ、偽りであったりと、
アーサー・ヒラー監督は、敢えて逆説的に展開するプロットを多用し、観客を引き込んでいます。



先妻との間の息子、グローリアの4人の連れ子、
5人兄弟である子供たちの演技も素晴らしい。

子供たちに徐々に見えてくる、結婚を繰り返す母への不満、
葛藤、 諦め、 寂寥な心の内。

また、大人顔負けの紳士ぶりや、シニカルな台詞、
父子の関係が逆転したようなシーンは、微笑ましい。




「ゴッド・ファーザー」ならぬ「アットホーム・パパ」を目指すアル・パチーノ。

仕事、 子供、 配偶者、
どれも皆、大切にしたい、、、

しかし、もし相手がそれらに優先順位をつけることを求めてきたら?

思わず葛藤してしまいそうなテーマを、本作は投げかけます。


後半は、
劇作家として舞台を成功させようとする意気込みと、父親として本当の家族を目指す努力が、同調。

父の奮闘が、感動の結末を呼び起こします。

“家族にとって本当に大切なもの” が、見えてくる逸品です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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