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悲しみは空の彼方に (1959)

IMITATION OF LIFE

監督
ダグラス・サーク
  • みたいムービー 29
  • みたログ 88

5.00 / 評価:18件

泣くしかない

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月20日 23時12分
  • 閲覧数 938
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

ダグラス・サーク監督作。

ふとしたことから共同生活することになった母ローラと娘スージー、母アニーと娘サラジェーン、二組の親子の人生を描いた家族ドラマ。
ダグラス・サーク作品の鑑賞は本作で3本目。相性がいいようで、今のところ外れがない。ダグラス・サークの魅力は、理屈的ではなく鑑賞者の感情に直接訴えかける分かりやすく感動的な脚本にある。鮮やかなカラー映像と音楽も魅力的。
本作の物語の軸はアニーとサラジェーンの親子関係だ。母アニーは黒人で、娘サラジェーンは黒人と白人の混血。サラジェーンの肌は白くて白人と大差ないのだが、母親が黒人であることをサラジェーンはコンプレックスに思う。鏡で自分自身を見て「私は白人よ!」と必死に主張するサラジェーンの姿が切なく印象的。母を母と認めたがらないサラジェーン。母に対するサラジェーンの言動はあまりにも残酷で、娘の心ない言葉に傷つく母の悲しみも痛いほど伝わってくるが、アメリカ社会に蔓延る人種差別がサラジェーンにそうした言動をさせているのも紛れのない事実。母が黒人であると知った恋人がサラジェーンに突然暴力を振るったり、母を見た職場の人間がサラジェーンを即刻解雇してしまったりする。そうした人々の無知と偏見がもたらす悲劇が重なり、サラジェーンとアニーの関係はますます悪化の一途を辿っていくのだ。
人種差別という社会問題を背景に、引き裂かれていく親子の悲劇とそれでも消えることのない親子の愛情を感動的に綴っている。サラジェーンと母アニーが楽屋で抱き合うシーンに涙が溢れる。母を母でないと断言するサラジェーンに対し、母はいつまでも母であり娘を想う存在であることを涙ながらに訴えるアニー。母に対する娘の憎しみと、娘に対する母の強い愛情が真っ向から衝突するシーン。ギュッと抱きしめられたサラジェーンの表情に涙が止まらない。思い出すだけで涙が出そうになるほど感動的なシーンのひとつだ。
そして、ローラとアニーの人種の垣根を越えて成立する女性同士の絆も見どころになっている。ローラはアニーの娘サラジェーンを心配、時には叱責し、アニーもまたローラの娘スージーの良き相談相手になる。
二組の親子の物語を同時並行的に描いていながら、アニーとサラジェーンの親子が織りなす物語に比重が置かれ過ぎていて、ローラとスージーの物語が比較的薄く描かれてしまっていることが玉に瑕。それでも、女優として成功を夢見るローラが、娘と過ごす時間や気になる異性との関係を犠牲にしてでも仕事に邁進してしまう姿は、アメリカンドリームの裏側で失われていくアメリカ人の心を象徴しているようだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 切ない
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