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悲しみよこんにちは

悲しみよこんにちは

BONJOUR TRISTESSE

94

cra********

5.0

映像は文学を超えられない?超えられます

作家、フランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』はあまりにも有名ですね。 大抵、ベストセラー本原作の映画というのは退屈です(あくまでも私の主観から観ての意見なので悪しからず)。というのも、文学の持つ細かい描写、言い回し、雰囲気などを1、2時間足らずで何も削ぎ落とさず全て収めるというのは至難の業です。だから、原作の方が面白いのは当たり前ですね。 しかし、稀に秀作に仕上がっているものもあります。今作、『悲しみよこんにちは』もその一つでしょう。 かといって今作には、サガンの原作の全てが詰まっている訳ではありません。文学の持つ贅肉を削ぎ落とし状態。そこから新たな魅力が映像として生まれたのです。 原作の持つ魅力を失わずに映画として成立させる。これは監督の見事なまでな手腕です。 私的には現在をモノクロ、過去をカラーとしているのがシニカルで気に入りました。普通は過去をモノクロ、現在をカラーにしようと思いませんか?これは私の勝手な憶測ですが、おそらく大切な人を失ってからの、楽しいがどこか寂しい生活をモノクロとカラーで区別し表しているのではないでしょうか。単純ですが素敵です。 なにはともあれ、今作は原作を抜きにしても、素晴らしい1本の映画でしょう。昔から映像は文学を越えられない!なんてことが言われてますが、そんなことはないのです。 愛らしいショートカットに乾杯!

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