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カバーガール

カバーガール

COVER GIRL

106

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4.0

過去と写真から逃れて

1944年。チャールズ・ヴィダー監督。場末のクラブの踊り子(リタ・ヘイワース)が有名雑誌の表紙を飾るカバーガールになり、恋人で経営者の男(ジーン・ケリー)と別れてスターになっていくかどうかで悩むという話。彼女は雑誌経営者の金持ちじいさんが40年前に好きになった踊り子の孫で、そっくりの彼女はじいさんのノスタルジーの犠牲になりかけるが、、、。 名声か愛かのわかりやすい葛藤。というか、葛藤が先に立って後からアレが愛だったと思い返すという意味で典型的な「愛」の表現。そして、彼女はじいさんのノスタルジーにとらわれそうになるだけではなくて、カバーガールとしてカメラにとらわれそうになるダンサーでもあるのが肝心なところです。過去と写真という静止した状態に追い込まれる現在の動きまわるリタ・ヘイワース。 ジーン・ケリーが窓ガラスから生まれたもうひとりの自分と踊るシーン(心理的葛藤)、カバーガールたちが載る写真の脇にいる男たちがみんな軍人であること(戦争と女性と映画)など、出だしの停滞感と分かりやすい物語にもかかわらず興味深い作品でした。

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