ここから本文です

鞄を持った女 (1961)

LA RAGAZZA CON LA VALIGIA/GIRL WITH A SUITCASE

監督
ヴァレリオ・ズルリーニ
  • みたいムービー 14
  • みたログ 40

4.06 / 評価:18件

発掘良品を観る #401

  • 一人旅 さん
  • 2017年11月9日 17時08分
  • 閲覧数 436
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ヴァレリオ・ズルリーニ監督作。

イタリアのパルマを舞台に、純情な学生とクラブ歌手の恋の顛末を描いたドラマ。

『家族日誌』(1962)のヴァレリオ・ズルリーニ監督による恋愛ドラマで、『激しい季節』(1959)にも見られたような歳の離れた男女の恋の顛末を映し出しています。主演はデビュー間もない頃のジャック・ペラン、相手役にCCの愛称で知られるクラウディア・カルディナーレ。『激しい季節』のヒロイン、エレオノラ・ロッシ=ドラゴと比較すると野性味二倍増し+やさグレ感漂うワイルド系美女です。

お話は古都パルマを舞台に貴族階級に属する16歳の少年ロレンツォと年上のクラブ歌手アイーダの出逢いと恋の顛末を描いた恋愛ドラマですが、『激しい季節』では男女が分かりやすく相思相愛に発展するのに対して、本作では少年ロレンツォが半ば一方的にアイーダに恋心を抱きます。経済的に困窮するアイーダに対して、叔母から貰った小遣いで素敵なドレスを購入してあげたり、手紙と称して現金を手渡すなど、年端もいかない少年のくせに完全な“逆ヒモ”状態になるのです。そうしたロレンツォの優しさに途中まで甘えるアイーダですが、ロレンツォへの恋心を確信させる描写は終盤に入るまで描写されません。そして、経済的にリッチな貴族階級の純情な少年と、故郷に子供を残して各地を転々とするワケあり年上女アイーダの恋は、周囲の大人による余計な介入とアイーダ自身の愛の葛藤と罪悪感によって悲劇的な結末へと向かってゆくのです。

お話自体は年下男と年上女の後ろめたい恋というパターン化された内容ですが、やはりズルリーニ監督の演出が秀逸です。『激しい季節』とは異なり肉体関係に発展しないプラトニックな恋にズルリーニ監督の繊細な演出が溶け込みます。アイーダの腕に優しく触れるロレンツォに秘められた諦めと哀しみの情が胸に迫りますし、浜辺での抑えきれない欲求の衝突は同じ浜辺でも『激しい季節』とは意味合いの異なる味わいがあるのです。そして何より、初心で純情な少年像を見事に体現してみせた若き日のジャック・ペランと、『鞄を持った女』の題が示す通り流浪の女としての生き方しか選べないカルディナーレの悲哀に満ちた演技に魅了される作品です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ロマンチック
  • 切ない
  • セクシー
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ