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髪結いの亭主
2011年1月8日公開

髪結いの亭主

LE MARI DE LA COIFFEUSE

802011年1月8日公開

jag********

4.0

ネタバレ人生は小学生で決まる真実

小学生に聞いた「将来なりたい職業」って子供たちは本当の事を書いているのだろうか?なぜならば小学生で衝撃を受けた職業って本当にそれを目指して大人になるものだから。 アントワーヌは大人になって、美人女性理髪師とのめくるめくエロい世界をくりひろげるのが将来の夢だった。 夢を叶えたアントワーヌ自身はヒモ亭主で、アラブ風ダンスのこけら落としをするしか能がないおじさん。 妻マチルドは働きもしない亭主に何の不満も抱かず、ただ肉を重ねることで満足している。自分の過去を語らず、寂しげに笑い、なぜか影のある彼女は男はたくさんいたというが、アントワーヌを選んだのかも理由いまいち理解できない。 色んな客の色んな人生を見る仕事だが、いちばんマチルドに影響を与えたのは前オーナーが老人ホームで「バカな老人ばかり」「こんなところで死ぬのはいやだ」と終の棲家で愚痴った事にあるのかと思う。 自分の体を営業仕事中でも犯してくるアントワーヌ。 必要以上に乳を揉み、2人だけでいいと子供を欲しがらず、友も作りたがらず旅行もしたくない。2人が仲が良ければ何もいらないというアントワーヌ。 子供の時に父親が殴ったのも、結婚を聞いて心臓マヒで死んだのも息子の性根が腐っているのを嘆いたからなのだろう。 アントワーヌの正体は乳恋しいとっちゃん坊や。 マチルドは年老いて女じゃなくなる前に、いま女として最高に愛され求められていると自覚できるうちに、これ以上の幸せはないだろうと悟ったから死を選んだのではないだろうか? 彼女の暗さはアントワーヌと出会う前に、人生の暗部を見すぎたからそこに戻らない為の選択のような気がする。 アントワーヌの愛はマチルドに向けてのモノだったのか?美人女性理髪師という職業フェチだったのか? 将来の夢は自分自身で何かを成し遂げられるモノじゃないなら、ひどくもろく儚いと小学生に知って欲しい。

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