カラテ愚連隊

過客/FAREWELL BUDDY/鐵漢柔情/THE YOUNG DRAGONS

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カラテ愚連隊
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)

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    3.0

    処女作にしてすでに呉宇森

    本作は73年製作の香港映画で、今や世界的に知られる巨匠となった呉宇森(ジョン・ウー)の監督処女作です。 呉宇森は、69年(23歳の時)に脚本家としてキャセイ・オーガナイゼーションに入社。しかし、50~60年代半ばにかけてのショウ・ブラザースとのシェア争いに敗れた同社は既に映画事業を縮小しており、71年にはそのライバル会社へ転入することになります。当初はキャセイ時代同様に脚本家としての契約でしたが、やがて巨匠・張徹(チャン・チェ)に抜擢され、彼の助監督として働くことに。こうして現場での経験を積んだ呉宇森の下に、73年、設立間もないゴールデン・ハーヴェストから専属監督としてのオファーが届きます。 その少し前、李小龍(ブルース・リー)が香港のみならず世界を席巻した直後と言うこともあり、時代はまさに功夫映画の全盛期。こうして、呉宇森の記念すべき監督第一作も、当然のごとく功夫映画に決定します。 民国初期。龍爺(姜南)とその用心棒の雲飛(馮克安)に牛耳られる、ある田舎町。しかし、ならず者の剣(于洋)と小六(呉明才)が率いる集団だけは彼らを恐れず、逆に龍爺の積荷を強奪して金をせしめるなど、やりたい放題。ある日、この町にひとりの流れ者(劉江)が現れ、小六が彼の財布を盗んだことで剣と手合せすることになる。互角の腕を持つ二人は不思議な友情を覚え、剣は何かあれば自分を訪ねるように伝え、男は名も告げずに去ってゆく...。 この映画を観るまで、散々、「過激な描写でお蔵入り」と聞いていたので、どれほどのものかと思っていたのですが、正直、何でゴールデン・ハーヴェストはこれをお蔵にしたのか、私には皆目見当がつきません。私に言わせれば、むしろ、これは呉宇森と言うひとりの才能の発芽が十分に感じ取れる、実によく出来た功夫映画です。 いや、もちろん傑作とか言う気はサラサラないですよ。 資金不足による安っぽい映像とか、呉宇森の経験不足によるライティング(照明)の拙さとか、これも経験不足による全く不必要なシーンの存在とか、はたまたヘタクソな編集による不自然さとか、当時の香港映画にはよくある瑕疵がこの映画にも山ほどあります。 但し、それ以上に、呉宇森と言う才能=パーソナリティが存分に刻み付けられている映画であることの方が重要だと言うことです(少なくとも私にとって)。 于洋(ユー・ヤン)演じる主人公と劉江(リウ・ジャン)演じる男の交流なんかは、ここで私が指摘するまでもなく呉宇森のファンなら“ニヤリ”とするところだろうし、呉明才(ウー・ミンツァイ)がマッチを擦るシーンもやっぱり“ニヤリ”だろうし、まだまだ慣れていないのか効果的とは言えないスローモーションもやっぱりそうだし、呉宇森映画の常連俳優・成奎安(シン・フイオン)がチョコっと出てるし(関係ないか?)、『男たちの挽歌?』で最高にカッコ良かった石天(ディーン・セキ)が売春宿で本番前に昇天するし(だから関係ないか??)、何より、ラストシーンの落ち葉なんかは“これぞ呉宇森!!”と叫びたくなる演出でしょう(笑) 一方で、当然と言うべきですが、やはり師である張徹の演出を多く引き継いでいます。主人公が“義憤を感じるならず者”と言う設定なのは、間違いなく直前の『ブラッド・ブラザース 刺馬』(呉宇森はこの映画の助監督)からの引用でしょう。また、“青い空の下で延々続く功夫ファイト”と言うシチュエーションも全く同じ。違うのは、張徹の演出ほど成熟した味が感じられず、ストーリーと功夫が直結していないこと。見せ方はそれなりにドラマチックだけど、やっぱり後年の香港ノワールほど、功夫がキャラクターの感情表現までは昇華されていないと言いますか...まあ、この辺りは処女作ゆえと言うことでしょうか(苦笑) 但し、一方で功夫映画マニアの視点に立つと、この映画のファイトシーンは非常によく出来ていますし、かなり興味深いものがあります。共同武術指導のひとりにクレジットされる陳元龍(チャン・ユエンロン)って、誰のことだか分かりますか?これ、下積み時代の成龍(ジャッキー・チェン)の芸名です。こちらも、後の成家班アクションが感じられる振付(一対多の戦い)になっていて、(個人的にはですが)非常に面白かった。 そんな『カラテ愚連隊』は、結局、香港では再編集・改題されて公開されるわけですが、確かにストーリーそのものは暗いし、ちょっと死人多すぎだとも思いますが、これ、「過激」と言うほどのものですかね? お薦めするほどの映画じゃありませんが、私は、呉宇森のファンなら迷わず観るべきだと思う、非常に興味深い映画でした。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
カラテ愚連隊

原題
過客/FAREWELL BUDDY/鐵漢柔情/THE YOUNG DRAGONS

上映時間

製作国
香港

製作年度

公開日
-

ジャンル