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カリガリ博士

カリガリ博士

DAS CABINET DES DR. CALIGARI/THE CABINET OF DR. CALIGARI

48

bakeneko

5.0

ネタバレ洗脳の恐怖を寓話で描く

1920年代に最盛だった“ドイツ表現主義”を採り入れた美術セットを用いた古典的名作で、中世ドイツの伝承を現代に翻案した物語を更に捻った脚本(“どんでん返し落ち”の添加は当初監督するはずだったフリッツ・ラング)も鮮やかであります。 事件の当事者である語り部と“どんでん返し”を用いた―当時の映画としては込み入った二重構造の作劇となっていて、“語り部の話の中の出来事”と“語り部自身の境遇”が融合するラストは鮮やかであります。 また、眠り男:ツエザーレを演じたコンラート・ファイトが一躍ブレイクした作品でもあり、元祖ジョーカーの物語「笑う男」やハリウッドに亡命してからの「カサブランカ」のドイツ大佐役まで長い活躍の起爆剤となりました。 「ドクトル・マブゼ」でも描かれた洗脳の恐怖を、凝った物語構成とドイツ表現主義の不気味&不安感で構築した作品で、迫りくるナチズムへの本能的な危機感も封じ込まれていますよ! (脱線) 2004年にドイツ・ベルリン 映画博物館を訪れた際に、「カリガリ博士」の実物大セットが再現されていてその中を歩くことが出来ました―気分はすっかりツエザーレ♡ ねたばれ? 本作は夢野久作の奇書「ドグラ・マグラ」の元ネタでもあります

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