一人旅
3.0点
テオ・アンゲロプロス監督作。 6人の狩人が雪山でゲリラの死体を発見したことで、彼らとギリシアの過去が甦っていく、幻想的なドラマ。 物語は正直なところ良く分からず仕舞いだ。 ただ、アンゲロプロス監督の演出・映像は印象的だった。 ワンショットに異なる時代の出来事が同時に描かれる演出は、同監督の他作品でも度々見られる。不自然さは全くない。あまりに自然に、完璧に融合されている。映画というよりは舞台を観ているようだった。 たった一つの死者が持つ意味とその重み。 死んだ人間が時を超えて物語る歴史の真実。 狩人が永久に葬り去りたいそれぞれの記憶を、死者は逃がさなかった。
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