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狩人の夜 (1955)

THE NIGHT OF THE HUNTER

監督
チャールズ・ロートン
  • みたいムービー 46
  • みたログ 275

4.05 / 評価:99件

底無しの魅力

  • mos***** さん
  • 2017年7月19日 13時32分
  • 閲覧数 710
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

著名文化人みたいな人たちが映画自選をすると、かならず筆頭にあがるのが市民ケーンである。昔なら天井桟敷の人々やジャンルノアールなど仏古典映画がこれに続いた。まぼろしの市街戦もスノッブ文化人御用達の人気作だった。いまはどうなるのだろう。さいきんの文化人の嗜好はわからない。

そもそも文化人の選評には気取りが入る。気取りが入るとは、完全な主観では選ばないという意味だ。気位の高い文化人は「え!こんなの好きなの?」と思われてしまわないために、大なり小なり客観を差し挟む。だからいつまでも市民ケーンなわけである。(市民ケーンに罪はないが)
この映画も文化人の選でときどき挙がった。選に順位をつけるなら、私だったらこれを市民ケーンよりも上に挙げたい。

昔初めて見たとき、高校時代読んだマークトウェインのハドリバーグの町を腐敗させた男を彷彿とさせた。因果応報のドラマで、民族や習慣を超える普遍性がある。また、その後に見た数々の映画がこの映画を彷彿とさせた。時代を超え、影響力は黒澤明に比肩すると思う。

監督はチャールズロートン。私は古い映画で、繁くこの俳優を見た。肥満体型で腹黒そうな顔つき。狭量な代官みたいな役が多く、こっちで言えば殿山泰司みたいな印象的なバイプレーヤーだった。 驚いたことに監督作はこの一作のみ。もっと驚いたことに当時、興行も批評もぜんぜんだめだったらしい。
俺はまだ本気だしてないだけ、なら永遠に見いだされないが、世の中には、本当に時間が経たないと見いだされないホンモノがある。

この映画でもっとも象徴的なのは、えせ伝道者ロバートミッチャムの手。親指を除く、示中薬小、4本の拳に書かれた文字。左がHATE、右がLOVE。後にパンク系ファッションで定番化したタトゥはここが出典である。
今では一般的なサイコキラーが跋扈するクライムドラマもこの映画が創始である。ロバート『スリーピーアイ』ミッチャムの飄々とした殺人鬼は今見てもぜんぜん新鮮だ。

マイケルケインのアルフィーに出ていたシェリーウィンタースをよく覚えている。よく見た女優だが、たいていどこで見ても肥えていて、春川ますみあるいは高瀬春奈のようなキャラクター。この映画では生真面目な未亡人役で、のちのバンプ路線を想像もできない。

リリアンギッシュに始まるこの映画はリリアンギッシュでおわる。暴力と無知から子供たちを救う里親役で、賢く、慈愛に満ち、勇敢。イントレランス(1916)!に出演した世紀の女優の有終を飾った。

美しい撮影とドラマツルギーのお手本。つねに新しい発見がある必携の映画だと思います。

詳細評価

物語
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音楽

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