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カルメンという名の女

カルメンという名の女

PRENOM CARMEN/FIRST NAME: CARMEN

85

ckr********

5.0

ゴダール怪演

監督のみならず役者としても名演技をみせた、ヌーヴェルヴァーグの僚友トリュフォーに対抗したのか、ゴダール自身が神経を病んだカルメンの伯父役で出演。冒頭からシュールな笑いを連発。(ゴダールは「5時から7時までのクレオ」「獅子座」などにも出演しています。) 劇中劇なのかと混乱するような構成になっているものの(こちらの頭が悪いだけか)ゴダール映画としては無理なく楽しめました。一見、気まぐれにカットをつないでいるようでいて実はゴダール的計算が緻密に働いていて見事。タケシ的ナンセンスを生真面目に演じる役者たちの可笑しさ。(「奇人たちの晩餐会」のジャックヴィルレ、1シーン出演あり) 箴言、哲学的セリフも相変わらず面白い。全篇に流れる弦楽四重奏の旋律、夜の波打ち際シーンが印象的。バイオリン奏者、ミリアムルーセルが魅力的です。反権力、反資本、女性への怖れと憧れというメッセージ性も鮮明。面白いので皆さんにおススメと言いたい所ですが、ゴダールと聞いただけで拒否反応を起こす映画ファンの方には、やはり耐え難い映画かも知れません。1983年ヴェネチア映画祭グランプリ受賞。  追伸 このレビューを投稿しようとした時、エリックロメール監督の訃報を知りました。「獅子座」「友達の恋人」「海辺のポーリーヌ」「夏物語」が特に好きでした。御冥福をお祈りいたします。

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