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カルメンという名の女

カルメンという名の女

PRENOM CARMEN/FIRST NAME: CARMEN

85

d_h********

4.0

ネタバレゴダール流“カルメン”

60年代初期のゴダールは首を傾げながらも見所が多い男だったが、70年代のゴダールは微妙だ。政治についてウダウダ言うダルみ。初期のゴダールだって充分ウダウダだったが、70年代は最悪と言っていい。 その臭さが抜けた80年代の頂点を飾る作品・・・それはこの「カルメンという名の女」だろう。 純粋なハリウッドのB級映画に対するオマージュ、ゴダール的ともいえる軽快なダベり。 警備員のジョゼは強盗一味のカルメンという女を捕らえようとするが、やがてカルメンに魅せられ、惚れてしまう。 さっきまで殺しあっていた男女が熱い接吻を交わしたり、女を車に入れる時に軽く尻を触る仕草や、一度突きつけた銃を軽く払う仕草がそれを物語る。 やがて愛し合うようになる二人だが、紆余曲折を経て再び殺し合う事になる。 海原のイメージから始まるこの映画は、ベートーヴェンの「弦楽四重奏曲」が随所に挿入される。チラチラ映るヴァイオリンの少女がとにかく可愛い。カルメンも美しい。そしてエロい。 急いでいるから仕方なく男子便所で小さい用を足すシーンのエロさは何だ。せめて個室の方でさせてやれよ・・・。 それをガン見でオカズにしながらペロペロやっている男はもっと何なんだよ。どんだけ変態なんだこの映画。ゴダールのネジが相変わらず吹っ飛んでいる様子は在る意味安心。 ゴダールの映画は女優を見るだけでも面白い。 ハイウェイから銀行まで駆け抜け、銃撃戦や地味な追跡も盛り込まれている。 かといって、爆発的に盛り上がらず淡々と語っていくのはいつものゴダールか。 銃撃戦の中で「俺は関係ないから」と平然と新聞を読む男や、床に散った血液を黙々と掃除するおばさんの姿がシュールだ。 病院で小説?を書く男はゴダール本人? やっぱり一番の見せ場はジョゼとカルメンが絡むシーンだろうか。 直接的な描写は避け、大胆な姿で会話する二人の“事後”を匂わせるシーン。妙にエロい。

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