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眼下の敵 (1957)

THE ENEMY BELOW

監督
ディック・パウエル
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4.24 / 評価:195件

私の感想の遍歴

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年9月19日 2時05分
  • 閲覧数 587
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 小学生の頃だったかな、テレビで見た時は、「Uボート対駆逐艦」というタイトルで放送されてたような記憶があるんですけど(それとも副題の方が強烈に記憶に残ってるだけなのかな)。
 戦争とはどんなものかもまったく知らず、ゼロ戦だの大和だののプラモデルを山ほど集めて喜んでた当時は、爆雷や魚雷の迫力映像に圧倒されて「かっこいー」とただシビレて見ていた思い出があります。

 その後、機会があるたびに何度も見ましたが、当時の「西ドイツ」の人たちも製作に協力し、ナチスドイツに対する批判はあくまでしっかり持ちながらも、洞察力と軍人魂をもった指揮官にはアメリカ人でもドイツ人でも均等に敬意を表する作りに、こんどはシビレました。

 でもね……
 歳も食って、数々の震災や先日の台風のような、本気で死ぬかと思うようないくつもの体験を経た目で、あらためて見直したら。

 船体にほんのわずかの亀裂が入っただけで全員死ぬことが確実にわかってる潜水艦の中にいて、何時間も爆雷の攻撃を受けつづけるって、どんな気持ちだろう。
 命中したら致命的被害を受けることがわかってる魚雷が、一直線の軌跡をなして自分の乗ってる船にむかって進んでくるのを見たら、どんな気持ちするだろう。
 というようなことばかり考えてました。

 要するにこれ、ふたりの艦長の「読み」がことごとく的中し、これだけの戦闘なのにほんの数人の死傷者しか出なかった、という、すばらしく好都合なストーリーにできてるから、「戦争映画の名作だ」なんていうホノボノとした感想を抱くことができるわけで。
 現実の戦争はこんなに甘いもんじゃ、ありえないよな。
 という、はなはだ無粋な感想をもって見終わりました。

 これを見て「戦争ってこういうものか」と思うのは、例えば、「巨人の星」を見て「野球ってこういうものか」と思い、「あしたのジョー」を見て「ボクシングってこういうものか」と思うのと、おんなじなんですよね。
 ロマンなんです。
 それがロマンだとわかってて楽しむのは、何も悪いことじゃありません、心ゆくまで存分に楽しんだらいい。私も「巨人の星」も「あしたのジョー」も愛読書でした。
 でも、それを現実と混同することだけは、しちゃいけない。

 カラー映画のまだ初期の段階で、これだけリアリティのある映像を作った技術には、敬服の一言です。
 今見ても上記のような感想を抱くことができるのは、この映像と演出の秀逸さがあってこそのことです。
 ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス、この2人の名優の演技は、今見てもすばらしいです。重厚で知性豊かな名将を巧みに演じ切っています。

 かつての自分がこの映画に心酔した経験も思い出しつつ、☆3つまでは落とせませんでした。
 

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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