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眼下の敵 (1957)

THE ENEMY BELOW

監督
ディック・パウエル
  • みたいムービー 81
  • みたログ 463

4.22 / 評価:204件

二人の男の戦い...

  • shigeo さん
  • 2009年2月14日 10時34分
  • 閲覧数 1068
  • 役立ち度 42
    • 総合評価
    • ★★★★★

2009年になって自分は無性に潜水艦映画が観たくなった。
そこでいくつかの作品を観直したのだが、今作もそのうちの一つだった。
よく潜水艦映画には外れがないということを聞く。
自分もそういう感想を抱いていたものだった。
その想いを抱いていた起源はまさしく今作とドイツ映画の『Uボート』を観た時からだった。
それは高校生の時だったが、思えばたった二作を観ただけでこの類いの映画にはハズレがないといった思いを抱いていた事が少し恥ずかしいが、それだけこの二作の印象が強く、そして、何よりもとてもおもしろかったからだ。
潜水艦映画...そう呼ぶには今作は相応しくないかもしれない。
映画の冒頭からわかるように今作はドイツ海軍Uボートからの視点のみではなく、アメリカ駆逐艦からの視点も描かれているからだ。
この公平な視点で描かれているところが今作の大きな特徴だろう。
とても好感が持てるし、なにより気持ちがいいのだ。
その戦いはまるでゲームのようにスポーティであり、物語の冒頭で駆逐艦の乗組員たちが語っているチェスのような感覚だ。
自らの頭脳を駆使し、相手の動きを読んで自らの手を考え、相手を追いつめる。
まさにチェスの手を打つようなものだ。
その過程がとてもスリリングでおもしろい。
また、戦術だけでなく、戦いそのものの描き方もとても迫力があり、ダイナミックだ。
この作品が50年以上前に作製されたとは俄に信じ難い程だ。
人によっては戦争映画に対して「おもしろい」という表現に眉をひそめるかもしれない。
だが、戦争賛美とか戦争反対とか、そういったメッセージ性よりも戦争を題材にした娯楽作があってもいいではないか。
日本人は戦争というものにすぐに悲劇性や思想的なものを結びつけたがるが、実際の戦場では血生臭い出来事ばかりではないことも事実だ。
それを映画として描く事で不謹慎呼ばわりするのはあまりにも短絡ではないだろうか?
もちろん、戦争という行為は絶対的に避けねばならないことだ。
だが、過去の戦いの中では今作で描かれているようなことが起きているのも事実だ。
そう、自分もこれを知った時は驚いたが、これは「実際」に起こったことに基づいた原作を映像化したものなのだ。
もし、このような作品を不謹慎だと決めつける人はこのような作品とは縁がない...ただ、それだけのことだろう。
ただ、覚えていてほしいのは今作の主人公の二人...ロバート・ミッチャムもクルト・ユルゲンスも決して戦争を楽しんでないし、出来ればこんなことは避けたいと思っていることがわかる。
ただ、今の自分の置かれた現況を理解し、最大限の努力をする。
男としては、なんとも憧れる男たちじゃないか。
ここで暴言。
たぶん、ここで描かれたいる事は女性には充分に理解出来ないと思う。
そうじゃないと怒った女性の方、ごめんなさい(笑)。
もちろん、今作で描かれているのはきれいごとばかりではない。
死と隣合わせの兵士たちの苦悩と疲弊がきめ細かく描かれている。
物語の最後は双方、艦を失い、人も死ぬ。
ゲームのような戦い...しかし、その結果はやはり破壊と死だった。
しかし、双方の乗組員たちにはある種の連帯感が生まれたのは間違いない。
それを戦場にかすかに灯った希望と呼んでもいいだろうか?
今作はアメリカ海軍と国防総省が製作に協力してるが、アメリカ主導の観るのもウンザリするような国威発揚の作品以外でも作る気になれば作れるじゃないか。
今作の監督と脚本を担当した人間には心から敬意を表したい。
この騎士道のようなフェアプレイの精神を全ての戦場に望めるわけはないが、だからこそ、彼らの威信と誇りが眩しいのだ。
ラスト、タバコをくゆらすミッチャムとユルゲンス。
時代と場所が変われば、二人は良き友として違ったゲームをして交わるだろう。
そう願いたい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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