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間諜X27

間諜X27

DISHONORED

91

********

5.0

目は口ほどに

1931年。ジョセフ・フォン・スタンンバーグ監督。1915年ウィーン。夫の大尉を戦争で失った妻(マレーネ・ディートリッヒ)は街娼として虚無的に生きていた。そこへ諜報機関のボスが近づいてきて、彼女をスパイとして雇う。ロシアのスパイとの駆け引きが始まるが、、、という話。まだ「トーキー」であることが特別だった時代の映画らしく、カットのつなぎも回想シーンもセリフではなく映像でつながっています。そしてことさら音楽を全面に出す。ディートリッヒがむやみと目をギョロギョロ動かすのも「トーキー」的なわかりやすさのしるし。目は口ほどにものをいう。 「目は口ほどにものをいう」は比喩にとどまらず、映像としてそこにある。大きく見開かれたり細められたりする彼女の眼だけでなく、ラストで彼女に同情する若い士官も目に涙をうかべているらしいし(画面には写らないけど彼女が彼の眼をふいてあげる)、回想シーンへの導入は人物の「今思い出していますよ」という目とともにあった。 30歳とはいえまだ幼さまで残っている若きディートリッヒ(少女に変装するというだけではなく体型がふっくらしています)。愛で道を誤る女スパイという典型的な映画とはいえ、まったくメロメロになっていないところがすばらしい映画です。最初から愛なんて信じてないわって感じ。

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