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シクロ (1995)

CYCLO

監督
トラン・アン・ユン
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3.59 / 評価:27件

トラン・アン・ユン監督の作風

  • Kurosawapapa さん
  • 2010年12月14日 8時41分
  • 閲覧数 1375
  • 役立ち度 13
    • 総合評価
    • ★★★★★

昨日、「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに、トラン・アン・ユン監督が出演していました。

笑顔が素敵で、実に優しそう。
痩せていて、監督というより俳優という雰囲気。
話し方もソフトで、とても繊細な印象を受けました。

同席していた玉山鉄二氏は、彼が “ピュア” であることを強調していました。


本作は、ヴェネチア国際映画祭・金獅子賞受賞作。

トラン・アン・ユン監督は1962年ベトナム生まれ。
12歳の時にベトナム戦争の戦火を逃れ、一家でフランスに亡命、その後フランスの映画学校で学んだそうです。

本作も、ベトナムを描いたフランス映画というような作風で、エキゾチックな雰囲気を多分に醸し出しています。

見終わってみると、ストーリーは意外にシンプル。

“シクロ” と呼ばれる輪タクを女親方から高額で借り受け、その運転手をして生計を立てていた青年が、ヤクザの世界に染まっていく物語。

混沌としたベトナムにおける社会問題を提示した、淡々とした展開。


トラン・アン・ユン監督作品の特徴は、
何と言っても、その芸術性にあると思います。

水や光を上手く使い、一種独特な世界を作り出す。



そして、時折見せる、過激な描写。
見る者をヒヤリとさせる、薄い刃物のような鋭さ。

原色を鮮明に見せる色使い、 エロティシズム、 スプラッタ、 残虐性

これらは皆、
彼の “純真さ” ゆえの、突き抜けた表現力なのかもしれません。


一瞬、目をそむけそうになるようなシーンは、
見る側の五感に深く突き刺してくるものがあります。

彼の作り出すメタファーは神秘的で、深く深くに入っていきそうになると、
突然、胸ぐらを掴まれ、表層に引き戻される感じ。

作品に陶酔する、一定の深みを維持させない、
その浅深差が彼の作品の特徴であり、クールな作品であっても、全く予断を許しません。



そして、彼の作り出す映像、
特にアップに惹かれてしまう、、、

・例えば、肌がすごく奇麗で、吸い寄せられそうになったりする。
・剃刀の刃が切り裂く鋭さは、美しささえ感じさせる。
・真っ白な一面に、真っ赤な血が滴り落ちたりする。


アートとアクションの共生、そして時折見せる鋭利、、、
そんな作風、
自分は嫌いではなく、
むしろ、その美しさに潜む “毒気” に、魅了されそうになるのです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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