ここから本文です

ファウスト (1994)

FAUST

監督
ヤン・シュヴァンクマイエル
  • みたいムービー 45
  • みたログ 124

3.75 / 評価:24件

シュヴァンクマイエルの“ファウスト”

  • 一人旅 さん
  • 2021年4月21日 23時32分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヤン・シュヴァンクマイエル監督作。

チェコ出身の鬼才:ヤン・シュヴァンクマイエル監督が『アリス』(88)に続き1994年に撮った長編第二作目で、前作同様、実写と人形アニメーションが共存した独自の映像世界を魅せてくれます。

ドイツの文豪ゲーテの「ファウスト」を下敷きにした作品ですが、そこはシュヴァンクマイエルらしく原作の素直な映像化ではなく、独自の解釈により換骨奪胎した上でストップモーションアニメーションを多用した悪夢的な映像の奔流で観客の度肝を抜いてくれます。

舞台を現代のチェコに置き換えて展開されるシュヴァンクマイエル流「ファウスト」で、サラリーマン風の中年男が謎の地図に導かれるように辿り着いた場所で悪魔と契約を交わし死後の魂と引き換えにこの世の享楽の総てを手に入れようとするが―というお話で、物語の大枠は原作ファウストに準えていますが、映し出される映像は論理的説明の難しい突拍子のないものに終始しています。

兎に角、物語云々はこの際忘れて、シュヴァンクマイエルが創り出す独創的な映像世界に身も心もどっぷり浸かってしまうのが本作の最善の愉しみ方であり、フラスコの中で誕生する粘土の赤ちゃんや数多くの操り人形たちの奇怪な饗宴の一部始終を眺めているだけで十分に元が取れる作品となっています。CG全盛の現在では考えられない、ハンドメイド感溢れる人形たちの不気味&リアルな造形と撮影に根気を要したであろう細やかな動作が、他の映画では味わうことのできない“贅沢なものを見ている”感動で包み込んでくれる怪作で、ロシアのアレクサンドル・ソクーロフが翻案映画化した『ファウスト』(11)と見比べてみるのも一興かと思います(同じ“ファウスト”なのにここまで作風が異なるのか…)。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ファンタジー
  • 不思議
  • 不気味
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ