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がんばれ!ベアーズ特訓中 (1977)

THE BAD NEWS BEARS IN BREAKING TRAINING

監督
マイケル・プレスマン
  • みたいムービー 2
  • みたログ 87

3.50 / 評価:22件

子供が求めているのは野球じゃなくて父親!

  • ハイジ さん
  • 2010年5月1日 7時27分
  • 閲覧数 637
  • 役立ち度 22
    • 総合評価
    • ★★★★★

こちらは、『がんばれ!ベアーズ』オリジナル3部作の2作目で、キャッチャーの太っちょ君を初め、子供たちが1年、成長しています。外国人の兄弟も英語を喋るようになっています。1作目で見事なフライを取った子供は入院中、メンバーがお見舞いに駆けつけ、本作は、この子へ向けられた親友タナー君の近況報告がナレーションになっています。
ピッチャーは口先だけのユニークな新入りで、ベアーズの子供たちは“何なんだ、こいつ?”と思いながらも、やっぱり彼を受け入れていきます。今作の見所は、前作でバイクを乗り回し、球場を荒らして追い出されていたケリー君、彼と父親のお話です。

冒頭、子供たちの個性を認めない、厳しそうなコーチが現れます。あれあれ、どうなっちゃうのかな?とベアーズの行く末が心配になったところに、ケリー君の登場です。クールなケリー君は、今ではベアーズ皆の憧れであり、子供たちに頼られ、慕われています。ベアーズに似合わないコーチはケリー君が即刻クビに。これを喜んだメンバーたちも、各家庭の食卓で交わされる新しいコーチと遠征の話題に巧く対応し、親の懐を考慮した子供たちのまちまちな返答が滑稽です。
「こんにちは」と「お元気ですか」を繰り返すだけの球場整備のおじさんを利用してベアーズの保護者たちを丸め込み、運転中も大人の振りをして警察官の目を晦ませたケリー君。この成功に子供たちは大興奮。そう、ベアーズはドーム球場での試合に出場する為、子供たちだけで繰り出してしまうのです。道中、可愛い女の子がヒッチハイクをしていたり、草野球チームにボロ負けしたり。だけど、引率者のいない旅には限界があります。とうとう滞在先のホテルで二進も三進もいかなくなったケリー君は、責任者を要し、8年前に家族のもとを去ってそれきりだった父親に会いに行きます。

ケリー君の父親は野球の腕も抜群で、ベアーズのコーチとして指導に当たり、子供たちにも大いに好かれるのですが、ケリー君との間に深い溝が存在しない訳はありません。自分の父親が、男の子にとって完璧なかっこ好いお父さんとして目の前で野球を教えている姿。それをあれだけ見せ付けられて、彼らのように素直に甘えられる年齢を過ぎてしまったケリー君が、息子として平常でいられる筈はありません。
「お前もやってみろ」と言われて「俺は出来るからいいよ」と躊躇する気持ちや照れもよく分かります。本心はやっぱり嬉しいし、成長してスポーツが万能な自分を見て欲しいその反面、こんな時間を全く持てなかった現実への悔しさも入り混じっていたことでしょう。複雑な感情を抱いたままでの野球の練習中、とうとう二人は衝突してしまいます。
「タバコはやめろ」「父親のつもりか」、ケリー君にとっては面白くないことだらけです。「なに怒ってる?どうして欲しいんだ?」「何も望んでない!アンタなんか必要ない!」、全力疾走するケリー君。
何事もなかったように装っていても、あの時だって、この時だって、ケリー君は内心、傷ついていたのです。「俺のこと、(息子だと)分からなかっただろ」と、溜まっていた不満、その本音を父親にぶつけてしまうことになったケリー君。父親を傷つけ返そうと試みた自転車の話には、何度観ても涙が出てきます。
ところが、ここで父親がケリー君に投げかけた問い。これには本当、子供にとってタフな時代だったんだなぁ、と前作でも書きましたが、改めて痛感させられます。幼い息子の前から姿を消しておいて、あんな事が言えるだなんて。
父親が欲しかった1作目のアマンダちゃんと同様、本作のケリー君も、自分のもとを離れて行った父親の愛を求め、冷たい仕打ちを返されます。そして映画の終盤では、子供の方が非を認め、大人を許し、歩み寄りの言葉をかけて和解しているという過酷さ(翻訳は穏和ですが、実際は胸が締め付けられるような会話なんです)。何度も言いますが、本当、そういう時代だったんですよね。

父親と子供の触れ合いは、日本でもアメリカでもキャッチボール。『となりの山田くん』、『ウォーク・ハード』にも出てきました。野球を媒体に、何年も交流を絶っていた親と子が再会する物語、これが『がんばれ!ベアーズ』の1作目と2作目です。

今回は、野球場の観客全員を巻き込んでの感動シーンもあります。ベアーズの子供たちがドームの天井を見上げたり、電光板の自分の名前に感激したり。ピッチャーマウンドの位置や隠し球など、笑えるネタもあります。
そして、出場できなかった友達への思いを胸に一途に走り回ったタナー君。息子のチームの為に立ち上がるコーチ。この時、ケリー君の目も輝きます。最後には、本物の自信を手にしたピッチャーも大活躍。その結果、3作目ではベアーズが日本へやって来る、という繋がりになります。1作目に続き、こちら2作目も5つ☆でお勧めです。

詳細評価

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