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ガンメン/狼たちのバラッド

xi_********

3.0

硬派過ぎて何も言うことはありません

硬派監督カーク・ウォンのデビュー作(確か)。製作はツイ・ハークが担当。 当時、キネ旬か何かの特集で「注目の新人」みたいな評価を受けていた作品がこれだったと思う。これが劇場公開されたかどうか定かではないが、ジャッキーの「新ポリス・ストーリー」を劇場へ観に行った際、そのハードな作風が気に入ったので、その足でレンタル屋へ行った次第。 で、やっぱり硬派(笑) 1926年、内戦続く中国でディン(レオン・カーフェイ)は三人の盟友と共に戦いを生き延びる。再会を誓う三人と別れ家族の下へ帰郷したディンは、数年後、上海警察隊へ入隊する。麻薬の摘発に着手する日々の中、売春婦のシュウマと出会い、彼女からの情報を頼りに捜査を進めるディンだが、ある日、かつて戦場でディンたち四人を処刑しようとした敵部隊長ヘイ(アダム・チェン)が上海の麻薬組織のボスとなっていることを知る。上司を殺され復讐心を募らせる中、戦後に別れた仲間と偶然の再会を果たしたディンは、三人に警察入隊を懇願。固い絆に結ばれた彼らは、一致団結してヘイとの戦いに挑む。 物語は極めて単純。伏線も何もありません。 大体先の展開は予想通りに進むんですが、描き方がイチイチ古臭い(笑) 観たのは20年近く前なんだけど、その当時でさえ、何だか(実際物語の設定がそうなんだけど)一昔前の「義理人情」だとか、或いは「戦友の絆」や「男の姿」を描いてる様で垢抜けない印象を持った記憶があるくらい。まあ、「新ポリス・ストーリー」を観た直後だったし、当時から香港映画漬けの毎日だったので、このくらいは予想の範疇だったんだけど。 この人は「てらい」のないド直球の硬派っぷりが強みです。「ガンメン 狼たちのバラッド」からその「色」が良く出てる。やっぱり処女作ってのもあるんだろうけど、変な小手先勝負がまるでない。ここまで「灰汁」の強い映画を気に入るかどうかは観た人次第とは言え、個人的には、この姿勢は嫌いにはなれません。 ただ不満も多い映画。 ディンとシュウマ、それに妻が絡んでの「三角関係」とかイライラするし、ラストのディンの態度とか「あぁん?」って感じになるのは間違いないと思う。これ以外にも、仲間三人との「絆」の描き方、途中で着任する所長の「存在」、敵役ヘイの「キャラ」とか、諸々の部分が説明不足。カーク・ウォンが真面目に撮ってるのは判るんだけど、描き方が下手糞なせいで、何だか全体的には中途半端な感じが残ります。短尺ってのもあるせいか、どこがこの映画の「重心」なのか観ていてイマイチ解らない。 でも、こう言ったアラを含め、カーク・ウォンの原点としては好きな作品。映画的には評価するものじゃないけど、当時流行りの香港ノワール路線とも一線を画した、どこか懐かしい匂いのする映画。個人的な不満は、戦友の一人を演じたレイ・チーホンの扱いが小さかったことくらいかな。 人には薦めないし、はっきり言って凡作だけど、個人的にはお気に入り(笑)若々しいレオン・カーフェイも良いけど、アダム・チェンは格好良かったなぁ。

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