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キートンの警官騒動

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5.0

キートン、視覚マジックの天才。

まず最初の「愛には錠前もかなわない」という言葉がいいですね。 この言葉、かの天才奇術師フーディーニの言葉なんだそうで、フーディーニといえば脱出奇術の天才、そして、いかさま超能力を見破ってきたことでも有名ですよね。 で、物の本によれば、バスター・キートンの芸名の由来は、同じ舞台芸人でもあるフーディーニの言葉にあったんだそうですから、そんなところからも、因縁を感じさせられます。 でも、この言葉、内容とはあまり関係がありません。 冒頭、「あなたが成功するまで結婚はしないわ。」と女の子に宣言され、町に出るキートンですが、このあたりは『成功成功』と似た発端。 しかも、この映画の中心も、展開に多少の違いはあるものの、警官とのおっかけっこ、それも多数の警官とのおっかけっこというあたり、完全に『成功成功』の焼き直しという感じがします。 おっと、制作は同じ年ですから、ひとつのアイデアから二つの映画を作ったということなのでしょうか。 ただし、キートンを追いかける警官の数は圧倒的にこちらのほうが多いのですから、多数の警官とのおっかけっこということをメインにすえての制作はこちらのほうだったのでしょうね。 題名も「警官」というくらいですから。 集団に視覚的効果があることを描いたあたりも視覚的な天才キートンらしいと思います。 最近の映画ではCGを使って群集シーンを描き出し、視覚効果をねらっていますが、これまた、キートンは映画初期の頃から手がけているわけですね。 この映画、警官とのおっかけっこもさることながら、はしごの上でのアクロバットも一見の価値がありますよ。

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