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虚栄の市 (1935)

BECKY SHARP

監督
ルーベン・マムーリアン
  • みたいムービー 3
  • みたログ 8

4.50 / 評価:4件

悪女なのは生まれつきよ♡

  • bakeneko さん
  • 2016年11月8日 10時18分
  • 閲覧数 269
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ウィリアム・メイクピース・サッカレーが1847-8年に発表した同名代表作の3度目の映画化作品で、長大な原作をダイジェストして脚色したLangdon Mitchellの舞台劇“Becky Sharp”(初演は1899年)に基づいています。ナポレオンが欧州を席巻していた頃の19世紀初頭のロンドンで、低い身分に生まれた野心家の少女“レベッカ(ベッキー)・シャープ”が権謀算術を駆使して上流階級に食い込もうとする様子を生き々と描いたピカレスクロマンで、当時のロンドンの文化風俗も紹介されています。

そして本作は、3色式テクニカラーを用いた最初の長篇作品で、本技術は日本では彩度が高く豊かなコントラストを持つために“総天然色”と呼ばれた手法であります。
(三色式テクニカラーとは)
撮影時にプリズムを通して映像を赤・青・緑に分解感光させ、三本の白黒ネガフィルムを作る。これらの画像を一本の透明ベース上に一色一回(計三回)染色転写(ダイ・トランスファー)。プリントを染め上げ、一本のカラーフィルムに現像していく(つまり原理は浮世絵や紙のカラー印刷の方法と同じ)。
自然な発色が難しく、完成した映像は派手な色彩になりがちな傾向がある。
「非常に高価」「撮影機が大型で機動性に欠ける」「緻密な作業が要求され、手間がかかる」などの欠点があったことから1935年にフィルム自体がカラーに感光するコダック社を始めとした他社のカラーフィルムに取って代わられるが、原理的には「三本のモノクロフィルム」なので経年変化の退色に強く、復元性に優れることが後に判明。そのことから後年になってDVDや映画のレストアでテクニカラーが見直されることとなった―代表作は、「白雪姫」、「風と共に去りぬ」、「黒水仙」、「赤い靴」…と言えばあの鮮烈な色彩を思い出されるのではないでしょうか(―実はこれらの作品はカラーフィルム映画じゃなかったんです!)。

(映画に話を戻して)
女学校の卒業式から始まる物語で、ヒロインが裕福な名家の親友:アミーリアの家に転がり込んで、男達をターゲットにしてゆきます。しかし彼女の敏腕を持ってしてもナポレオン戦争時代の激動の世相は読みきれず、運命の浮沈を繰り返すことになって…という庶民娘のバイタリティある活躍?を中心にして時代に翻弄される群像劇を活写している作品で、
勝気で派手な美人のヒロインと内気で地味だが心が澄んでいる親友
ダメンズ&誠実な男達との恋のスクランブル
戦争と経済混乱の中で没落or成り上がって行く人々、
…と同じ勝気なヒロインを中心とした激動の歴史メロドラマである「風と共に去りぬ」を連想させます(本作の方が先ですけど)。
そして、19世紀初頭の英国の服装や舞踏会&ダンス形式なども絢爛と映し出されている贅沢な作品でもあり、“もうちょっと演出にメリハリが利いていたら傑作になっていたのに…”と惜しまれる“社会風刺劇+メロドラマ+ピカレスクロマン”で、「風と共に去りぬ」のスカーレットや「私の様に美しい女」のカミーユ、「イヴの総て」のイヴ…といった天然悪女?達に連なる―決してめげないヒロインの奮闘を見つめましょう!

ねたばれ?
本原作は、2004年に「サラーム・ボンベイ」等のインドの女流監督:ミーラー・ナーイル監督でも映画化されています(ベッキーはリース・ウィザースプーン(27歳♡)。日本では『悪女』という地味なタイトルでビデオスルー発売されています)。

おまけーレビュー項目に無い“悪女?”映画の紹介を
脇見運転は命取り
「遅すぎた涙」(1949年アメリカ 99分)監督:バイロン・ハスキン 出演:リザベス・スコット、ドン・デフォー、ダン・デュリエ、アーサー・ケネディ、クリスティン・ミラー他
「宇宙戦争」等の特撮監督バイロン・ハスキンが作ったサスペンス推理劇で、田舎道をドライブ中に、(宇宙船に捕らわれる代わりに)偶然犯罪者の大金を車の中に放り込まれた夫婦に降りかかる出来事を描いてゆきます。
間違ったことに気がついて金を回収に来る不気味な男に加えて、夫の戦友を語る謎の人物まで絡んでくる―多重にミステリアスな展開となっていて、(最初から我儘だったけれど)次第に本性を現わしてくる悪妻をリザベス・スコットがリアルに演じています。
思わぬ大金が転がり込んだ人間の欲望の顛末を描いたサスペンスとしては、「突破口」、「シンプル・プラン」、「パーフェクト・プラン」など沢山の映画が創られていますが、本作は1950年代ですので、過度のバイオレンス描写は皆無ですし、特に金の回収人に凄みが無いのが特徴で、逆に男達を手玉にとってゆくリザベス・スコットのエスカレートしていく欲望に見入るサスペンスとなっています。

ラストの落ちで全てがきちんと説明されるサスペンススリラーで、コインロッカー出現前の小荷物預けシステムも興味深いですよ!

ねたばれ?
兄の結婚式なのに出席していなかったのね。

詳細評価

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