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ファーゴ (1996)

FARGO

監督
ジョエル・コーエン
  • みたいムービー 440
  • みたログ 4,363

3.71 / 評価:1580件

滑稽でユーモアたっぷりのサスペンス

  • wxj******** さん
  • 2021年3月7日 20時17分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

冒頭、テロップで今作は、実話を基にしていると紹介される。

1987年の、ミネソタ州ミネアポリスが舞台。
一面雪に覆われた銀世界が広がる、凍てつくような寒々しい町の風景。

カールとゲアが待つ酒場に、遅れてやって来たジェリー。
自動車販売店営業担当のジェリーは、借金で苦しんでいると分かる。

同じ職場の従業員(前科あり)から、チンピラを紹介してもらい・・・。
妻ジーンを狂言誘拐し、8万ドルの身代金を義理の父親からせしめる計画を持ち掛ける。

販売店の社長を務める義父ウェイドは裕福だが、頼むことが出来ない。
ジェリーは身代金を山分けするとし、報酬の一部として持ってきた車を提供。

最初から、予定外の事ばかり起きて、話は食い違うし危うくて仕方ない。
時間は間違っているし、うまく連絡取れなかったり怪しげな雰囲気が漂う。
彼らがどこまで信用出来るのか?と思うし、計画はズブズブだ。

ジェリーのウイリアム・H・メイシーが、ダメ男っぷりが実にはまってる。
保身に走り、ずる賢くてゲスな彼がうろたえる姿が、妙にユニーク。
計画通りに行かず、イライラを募らせていくがどうする事も出来ない。

カールらはジェリーの家に押し入り、ジーンを誘拐して車を走らせていた。
だが、途中で警官に停車を求められ、ゲアはその警官を射殺してしまう。

さらに、偶然目撃した走行中の若者二人も、車で追いかけて殺害。
簡単な誘拐計画は大きく狂い、連続殺人事件に発展してしまう。

そこで、妊婦の警察署長マージは、捜査に乗り出す事に。

行き当たりばったりなうえ、ゲアの短絡的なおバカっぷりに呆れるばかり。
無口で掴みどころがなく、殺人も平気なクレイジーなサイコパス。
よくこんな男を相棒にしたものだと思ったが、カールも充分歪んでる。

カールのスティーヴ・ブシェミが、これまた狂気に染まった男を怪演。
目撃者の誰もに「変な顔」って言われるのが、気の毒だが可笑しかった。

彼らとは対照的に、マージは冷静に状況を見極め、分析していく。
有能な彼女の仕事っぷりと、温かい人柄がどこかほのぼのさせる。
ダメ夫っぽい彼とのやり取りも、何故か微笑ましく感じてしまう。

マージは少しずつだが確実に、真相に迫っていくのが面白い。
事件の行方を追うサスペンス要素が、ワクワクさせて楽しめる。

一方、カールたちのドタバタ劇が続き、100万ドルを要求してくる。
警察に届けるというウェイドを、必死で食い止めるジェリーだったが。

余りに高額な身代金に、自らが持って行き直接交渉すると言い出す。
ジェリーは必死でウェイドをなだめるが、取引現場に向かい・・・。

ウェイドも強欲で気が強いのか、ジェリーが信用出来ないだけなのか。
たくましいを通り越して無鉄砲だし、いやいやアホ過ぎるだろ、という。

ある惨劇が起き、ここからさらに二転三転する先が読めない怒涛の展開に。
次から次へと人が死んでいき、本来はシリアスで悲惨な殺戮劇なのだが。
ユーモアたっぷりで、滑稽で皮肉めいていて、もはやダーク・コメディの域。

謎の日系人が出てきて、事件とは直接の関係は無いのだが。
全て作り話と分かり、人はこうして平気で嘘をつく、という事の象徴か。

マージ以外は、みんな自分の事しか考えていない、愚かで浅はかな連中ばかり。

カールの顛末にしたって、そもそも彼と信頼関係も絆も無いわけだし。
あの処理の仕方もグロいけど、笑えてしまうくらいの勢いだった。

最後に、マージが彼に語り掛ける言葉が、的を得ていて深い。

ラスト、あんな凄惨な出来事が起きた後だけに。
自らのささやかな幸せを実感するマージに、不思議とホッコリさせられる。

スリリングでハラハラドキドキするのに、全体的にコミカルな世界観。
人間の業と欲望を感じさせ、毒っ気たっぷりで面白かった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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