浅くて残念
- ポンドレッド斬 さん
- 2010年8月10日 14時58分
- 閲覧数 669
- 役立ち度 8
- 総合評価
スラムドッグ・ミリオネアでその名を世に広めたダニー・ボイル監督の初監督作。
そしてユアン・マクレガーのデビュー作でもある本作。
アパートで共同生活をしていたアレックス、デビッド、ジュリエット。
彼らは新たな同居人を募集し、ヒューゴという男に決めた。
しかし、同居生活を始めたばかりの朝、彼は麻薬の多量摂取で死んでしまう。
死体を目の当たりにした3人は彼の部屋で大金を見つける。
そんなストーリーですよ。
同居する男女3人!!死体!!金!!
こんな筋書きで面白くないわけがない。
まず、死体をどうするか?大金をどうするか?である。
なんだけど…
大金を持っているヒューゴはなぜ「共同生活」を望んだのか?
そこんとこが、いまいち腑に落ちないな。
人目を気にしながら「一人」で「モーテル」にでも泊まるのなら分かるんだけどね。
「同居!!死体!!金!!」の設定のために、ヒューゴはアパートに来た…て感じがするんです。
まあ、気になったとこは、それぐらいです。
とにかく、オモロイ。
大金を目にした人間の「心」は怖ろしいもんです。
友情は脆く壊れ、互いに裏切る。
もしも、自分が…と想像してみる。
死体発見→ビビリまくる→警察に通報→金は隠す。
麻薬で死んだ男の大金なんて、取引か何かの汚い金である。
ほとぼりがさめるまで金は隠す…ような気がする。ん~欲深いオレ。
ネタバレですが、
屋根裏に金を隠したデビッドに、
「なぜそこなんだ?普通、マットの下か床下だろ?」というアレックスの台詞が
伏線になっていた。
人間は怖いっすね。金が絡むと、あっさりと友情が壊れる。
このどんでん返しのラストは好きです。正直、「あ」という驚きはない。
いろんな映画を観たせいで、「衝撃」に対する免疫が付いたんだと思う。
ラストのアレックスの痛みに耐えながらも勝利を笑う表情がイイ。
デビッドの豹変ぶりも怖くてよかった。
トイレのシーンが好きだなあ。ホラー映画のようなカメラワーク。
背後から狙われているぞ、というアングル。
デビッドが屋根裏に閉じこもってからのシーンで、
天井を撫でるように映すシーンも好きだった。
天井を映すが、その上のデビッドを映しているようで、なかなか怖い。
クジ引きで負けたデビッドが死体の始末をさせられたが、
そりゃあ、気、狂うって。切り刻んだ光景が脳裏に焼き付いて頭がおかしくなるって。
「浅くない?もうちょっと深く掘らないと…」
「大丈夫だ」
いや、だいじょばなかった。
Shallow(浅い)grave(墓)だったから、みつかっちまった。
そして、彼らの友情もShallowだった。
墓が深けりゃ友情も深かった。浅くて残念。
詳細評価
イメージワード
- 悲しい
- 恐怖
- 絶望的