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グース

グース

FLY AWAY HOME

107

5.0

ネタバレ1羽も死なせる事なく…監督の好きな所

オープニング、母娘の乗った車が事故を起こす映像、この間流れているのは音でもセリフでもなくメアリー・チェイピン・カーペンターの10,000 Milesという曲。 これがこれから始まる何かを予感させる様に淡々と唄われるのですがもうこの曲でやられました、あー、感動モノなんだなあってしょっぱなから思わされる雰囲気なんです。 この事故により母を亡くしたエイミーは自作の飛行機で飛行テストをしたり、模型や機械を造る芸術家である父親トーマスと暮らすことになり、突然大自然溢れるど田舎に連れてこられる。 母を亡くした傷も癒えず、環境にも馴染めず、エイミーはふさぎ込む日々を送ることになるのだが、ある日森林伐採のブルドーザーがなぎ倒した木々の間からグースの卵を拾い、温めて孵してひな鳥達の母親になることに。 そこから始まる今作なわけですが、主人公エイミーを演じたのはあのピアノレッスンでフローラを演じたアンナ・パキン。 あちらでの役柄とはまた全然違った反抗期であろう少女らしい少女をこちらではしっかりと演じきってくれています。 グースたちの可愛さは説明するまでもありませんがほんとにどうやって撮影したのかしらと感心しっぱなし。 撮影中グース達には録音したアンナ・パキンの声をずーっと聴かせ続けていたそうです。 鳥ならではの刷り込みでエイミーのあとをくっついてばかりのグース達ですが、きちんと南へ飛び立たせようと奮闘する父親始め周りの大人達が本当に素晴らしい。 実話をもとに脚色された作品ですが関わる人間がどういう心の持ち主かですべての事柄や生き物達も運命が変わってくる、そんな事を痛感させられる作品になっていると思いました。 都会に暮らし続けていたら? エイミーの父親が芸術家でなかったら? たまたま卵を拾ったのがエイミーでなかったら? いろいろな偶然が重なり合ってグース達は飛び立てることができたわけです。 エイミーが初めてトーマスの飛行機に勝手に乗って突っ込んだときはハラハラしましたが、娘のために、グース達のために、大事な作品を売っぱらってまで娘用の飛行機を造ったトーマス、彼が父親でよかったと思います。 監督のキャロル・バラードは他にも動物モノの映画をいくつも手がけている方なので他の作品も見てみたいと思える出来栄えになっています。 生まれつき脚が悪いイゴーというグースが居て最後までどうなるかが不安で仕方ありませんでしたがしっかり次の冬には1羽もかけることなくエイミーの家の玄関まで戻ってきたという説明を呼んで安堵。 動物好きの心理をきちんと心得ていて必要以上の悲劇や脚色をしない作り方に共感できます。 たまにはほっこり感動したい方にオススメです!

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