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危険な関係 (1988)

DANGEROUS LIAISONS

監督
スティーヴン・フリアーズ
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  • みたログ 491

3.70 / 評価:107件

「理屈じゃない」のだ。くだらんのだ。

  • 百兵映 さん
  • 2016年2月19日 14時09分
  • 閲覧数 1533
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

 こういうドロドロ、ネチネチの愛憎劇は苦手だ。なのに、一緒に観た奥方は大いに面白がっていた。このプレイボーイとは比べるべくもない貧相な亭主は、奥様に対して申し訳ない気分になる。そうか、これは女性が楽しむ女性のための物語なのだろう。

 面白くないというより、面倒くさい。えらい複雑な人間関係、如何にも暇を持て余している貴族たちの退廃的愛憎ゲーム。口説きの達人でさえ、最後には「理屈抜きだbeyond my control」などという屁理屈を言ってゲームを決着させる。なんだ、これは。

 ひとつだけ思いがけず勉強になった場面がある。本題とは全く関係のない一場面だが、貴族の館で演奏されるヘンデルの ♪オンブラマイフ♪ ―― こういうのをサラッと見せるってのが映画の良さだ。

 この曲、初演が1738年というから、フランス革命前夜の退廃貴族の時代に符合する。この曲、カストラータ(裏声で高音を歌う男性歌手)のためのアリア。これを実際に男が歌って聞かせる。当時の楽器の伴奏でワンフレーズを長回しショットで聞かせてくれる。やぁ、びっくりした。現代のどんなステージ・CD・DVDより、この映画の方がいい。

 バロック音楽の愛好者には、この頃の映画で思わぬ名曲に出会うことがある。ただ残念なのは、この気高きバロックの調べが、この退廃的な貴族階級のBGMに取り込まれていることだ。早く市民革命を起こして、音楽を市民文化に解放させて欲しいではないか。ところが、市民の英雄だったはずのナポレオンがベートーベンを激怒させたように、なかなかうまくいかない。歴史もまた、「理屈抜きだbeyond my control」ということか。

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物語
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音楽

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