何という悪い奴。リチャードIII…X世…
- 百兵映 さん
- 2017年3月1日 10時50分
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権力の座(それも王位だ)を得るために、ありとあらゆる策を練り、実行に移す非情の男の物語。結局、王位を獲得する。うぁ~、何という……!
彼が弄した策というのは、邪魔になるライバルの容赦なき殺害と、使える女への巧みな言葉術。原作が文学・戯曲であるから、台詞回しはどれもこれも(主役の独白も含めて)意味深だ。それをこそ味わうものだろうけど、何せ英語力が追いつかない。併せて、時代設定にとまどってしまう。
原作は15世紀が舞台のはずだが、19世紀に動かしてある。先に観た『ハムレット』もそうだった。どうして時代を動かすのかが分からない。それでいて、‘公’だの‘侯’だの、‘伯’だ‘卿’だと、やたら面倒臭い時代なのだ。時代背景を知っていないとスンナリ分かり難い歴史劇だろうと思うのだが、その辺に疎い外国人のこともちっと考えていただきたい。
一方、この手の悪造はいつの時代にも、どこの世界にも居そうだ。だから、舞台を何百年動かしても同じということか。現代においても、身近なところに見え見えのワルが連日のニュースを賑わしている。こういうのを、(史実がどこまで正確かは知りようがないものの)“リチャード三世”と呼ぶことにする。同名の方には申し訳ない。
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