傷だらけの挽歌

THE GRISSOM GANG

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傷だらけの挽歌
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)

不気味20.0%恐怖20.0%絶望的20.0%スペクタクル20.0%切ない20.0%

  • むるそー

    5.0

    アルドリッチ畢生のバイオレンス大作!

    ムムッ…これは一体どうしたことだ? レビューが一つも投稿されていないではないか…。 乃公出でずんば!(笑)…とばかりに、僭越ながら私奴がファーストレビューを。 本作品の原作は、英国人作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの小説「ミス・ブランディッシュの蘭」であるのだけど、チェイスは実際のアメリカを知らず、スラング辞典を元に、脳内妄想でアメリカを舞台とした小説を書き上げたのである。 それ故、バイオレンス描写が過剰すぎて発禁処分を受けるほどの問題作となった。 それを、アメリカ人であるバイオレンス映画の巨匠・ロバート・アルドリッチが映画化したという、存在自体がユニークな作品だ。 舞台は、世界大恐慌下、1930年代のカンザス州。 地元の名士・大富豪ブランディッシュ氏の娘・バーバラが、悪党たちに誘拐される。 ところが、それを目敏く見つけた悪党たちの上を行く極ワル、恐怖のママが支配するグリサム一家(文字通りの一家で子分などはいない模様)が、悪党たちを皆殺しにしてバーバラを強奪する。 グリサム一家はブランディッシュ氏から首尾よく身代金100万ドルを手に入れ、あとは自分たちの存在がバレないようにバーバラを殺(バラ)せば、すべてがウマくいくはずだった。 ところが、ママの末っ子・スリムがバーバラに惚れてしまい、殺害を頑なに拒否する。 そこから徐々に歯車が狂い始め、一方、ブランディッシュ氏に雇われた私立探偵は、執拗且つ巧妙な聞き込み捜査で事件の真相に迫っていく…。 本作のキモともいうべきスリムという男は、ナイフ投げの名人で、平気で人を殺すサイコパス(ママの気弱な旦那以外は一家全員サイコパスと言ってもよい手合ども)なのだが、単なるサイコパスではなく、マザコン(バーバラから「バカ」「臭い」と罵られてママに泣きついたりする)の童貞で些か精神○弱気味というキャラクターで、いつもイっちゃってる表情をしている。 しかし池沼故、何事にも一途で、バーバラに対しても、単なる慰み者にしようというのではなく本気で愛情を抱いている。 バーバラも、はじめは生き延びる術(すべ)としてスリムに愛嬌を振りまいていたのだが、財産目当てではなく本気で自身に惚れているスリムに絆されたか、スリムに心を許すようになる。 そして、スリムが最後に取った行動は、視聴者にスリムが凶悪極まりない殺人鬼であることを忘れさせ、神々しささえ感じさせるに至る。 スリムを全身全霊で演じきったスコット・ウィルソンは、素晴らしいの一言に尽きる。 アルドリッチ作品といえば、「特攻大作戦」に代表されるように、痛快娯楽アクションものというイメージがあるが、本作のバイオレンス描写は痛快からは程遠い。 通常、アルドリッチ作品はアメリカン・ニューシネマに分類されることはないが、ニューシネマテイストのバイオレンスシーンが実にエゲツない。 また、オールスタームービーの「特攻大作戦」とは異なり、本作出演者でスターといえるのは、かろうじて、バーバラを演じた「勇気ある追跡」や「いちご白書」でお馴染みのキム・ダービーぐらいしかいない。 だから、本作をお馴染みのアルドリッチ作品のような期待をして鑑賞すると失望すること請け合いだけど、演出の妙はアルドリッチならではだ。 また、本作はアルドリッチ自身が設立したロバート・アルドリッチ・プロが制作したものであり、畢竟、アルドリッチ自身が撮りたかったのは、こういうテイストの映画であったということなのだ。 映画はスターを見るためのもの、雰囲気を味わうためのものという御仁が本作を見てもツマらないだろうけど、ストーリーや演出を楽しむために映画を見る向きには、断然お勧めできる作品だ。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
傷だらけの挽歌

原題
THE GRISSOM GANG

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-