暗闇にさようなら♪
- bakeneko さん
- 2011年1月28日 14時28分
- 閲覧数 784
- 役立ち度 5
- 総合評価
Whistling away the dark♪
ジュリー・アンドリュースを結婚直前であったブレイク・エドワーズ監督が思いを込めて美しく撮った作品で、第一次大戦の航空部隊の操縦士と女スパイのロマンチックな恋愛&コメデイ&音楽ショーを豪華に見せてくれる娯楽作品であります。
え~、俳優にとってイメージが固定されることは(例えそれが空前の当たり役であっても)あまり歓迎出来ることではない様です。何よりも同じ性格の役ばかりオファーされますし、参加出来る作品のジャンルも限定されてしまいます。そしてイメージチェンジを目指して演じた作品は”いつもの役柄”を期待する観客から低い評価を受けることがよくあるのであります。
「メリー・ポピンズ」「サウンド・オブ・ミュージック」と連続してファミリー映画のヒロインとして、“健全なお姉さん”キャラを印象づけたジュリー・アンドリュースは以後この固定されたイメージに脚を引っ張られた様であります。
本作がロマンチックな恋愛劇とコメデイ、更に複葉機の空中戦アクションと舞台の歌のショーシークエンスという、多くの見せ場の見事さにも係らず評価が低いのは、“恋に燃える生身の女”を“歌のお姉さん”が演じたことに対する観客の違和感(というか当時ははっきりと拒否反応)に由来します(ジュリーは同時期に「引き裂かれたカーテン」でも同様の反応を引き起こしています)。
逆に言えば、特定のキャラクターに固定されたイメージが薄らいだ現在こそ本作を再評価すべき時期であるといえます。
「ビクター・ビクトリア」の前身的な舞台場面や、「ピンク・パンサー」シリーズを彷彿とさせるロマンチックな喜劇シークエンスとアクションは、とても愉しいものであります。そして一本の映画の中に沢山の要素が詰め込まれている為に、全体の纏まりや整合性と現実味には欠けますが、寧ろ多くの娯楽的な要素を堪能出来る作品とも言えます。
ヘンリー・マンシーニの音楽はいつもの様に素晴らしく、特に主題歌の“Whistling away the dark”はジュリーのコンサートでは必ず歌われるお気に入りの曲であります。ジュリー・アンドリュースの女優としての幅の広さとファミリー映画では観ることの出来ない大人の色気を堪能出来る隠れた傑作であります。
ちょっとお色気描写が有りますので小学生の方には遠慮して頂くとして、あとは男女全ての世代に楽しめる娯楽作であります。
ねたばれ?
半年前、「暁の出撃」がDVD発売と聞いて喜んだのですが、1954年作の第2次大戦の航空作戦を描いた同名映画の方でした(こちらは渋い戦争実話。皆も間違えない様に気をつけよう!)。
詳細評価
イメージワード
- 泣ける
- 笑える
- 楽しい
- 悲しい
- ファンタジー
- スペクタクル
- ゴージャス
- ロマンチック
- 不思議
- パニック
- 不気味
- 勇敢
- 知的
- 切ない
- セクシー
- かわいい
- かっこいい
- コミカル