“ゆっくりギャグ”の本家
- bakeneko さん
- 2014年6月25日 6時49分
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- 総合評価
チャップリン、キートン、ロイドの次点として、“四大喜劇王”に名を連ねる“ハリー・ラングドン(昔のソフトにはランドンとも記されています)”の代表作で、ベルギーからアメリカ中西部にやってきた旅芸人(といっても1次大戦中何故か意気投合した敵のドイツ兵=力持ちの鉄人役の助手)の主人公の珍道中と、
辿り着いた田舎町での、ヒロイン(=大戦中に連合軍に励ましのお手紙(写真付き)を送っていた少女)との偶然の再会&父親の牧師を援護することになる“酒場でのハチャメチャ芸披露”がテンポ良く描かれていきます。
トップ・ヴォードビリアンとして20年のキャリアを誇った後、映画に進出した時は40才を越えていた“ベビーフェイス” ハリー・ラングドンは、豊かな表情で“体は大人、頭は子供”の主人公の“天然ボケ”ギャグを魅せてくれていて、後の“Mrビーン”や“ピーウィー”、“(僕の伯父さんの)ユロ氏”等のキャラクターの原型になっています。
チャップリンの“コミカルな動き”や、キートンやロイドの“超絶運動神経”を駆使したスピーディなスラップスティックと対照的な“シチュエーション&設定がゆっくり結実するコメディ”を愉しませてくれる作品で、クライマックスの破壊的な超人芸の数々の仕掛けの秀逸さには瞠目させられますよ!
また本作は後にヒューマニズム映画の巨匠となる(「或る夜の出来事」などの)フランク・キャプラの監督デビュー作でもあり、ヒロインの娘とのエピソード等にキャプラ風演出の萌芽を見つけることも出来る作品ともなっています。
あまり作品が残っていないハリー・ラングドンの代表作で、今見ても新鮮なギャグと年季の入った芸人の至芸が愉しめる肩の凝らない喜劇でありますが、禁酒法前夜のアメリカの精神的雰囲気も見て取ることが出来る映画でもあります。
ねたばれ?
1, クラッシック映画研究家の“いいをじゅんこ”さんの精査に寄りますと、“残されていた風評の出自の非公正さ”(マック・セネットやキャプラによる記述はかなり歪曲されていました)から、“トーキー化の波に乗り切れずに数年で没落した”ことが通説となっていたラングドンですが、近年の息子のインタビューや実際の出演&映画制作への活躍証拠から、トーキー後も往年の人気スターとして映画界に健在だったようです-良かったなあ。
2, で、相棒の元ドイツ兵はどうなったの?
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