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魔術師

bakeneko

5.0

ネタバレ結局何が出来るはずだったのだろう?

長らくフィルムが存在しないとされて来たホラー映画の嚆矢であると共に、サマセット・モームの初期の作品の珍しい映画化で、ウイリアム・ホエールの「フランケンシュタイン」への影響が有名なオカルト映画の古典であります。 え~、映画ファンの間には“幻の名作に良作なし”という諺があります。 つまり、“観ることが不可能”ということが期待感を盛り上げ、更に観た人物があやふやな記憶で話を膨らませるので、名作としての評判が一人歩きしてしまっていて、いざ発掘され修復されたものを観てみたら期待はずれとなることが多いということであります。 本作は、「月と六ペンス」や「人間の絆」等の傑作で知られるサマセット・モームの初期の作品を忠実に映像化したものであります(何と原作は、普通のオカルト小説で、“フランケンシュタイン”や“吸血鬼ドラキュラ”同様のゴシックホラーであります)。 そして語られる物語も、“生命の創造”という禁断の研究に取り付かれた男とその標的となった女性&許嫁のサスペンスとなっています。今となっては“どこかで観た様な”シーンの連続&穏やかなサスペンス描写ですが、こちらが元祖であることを鑑みれば歴史的価値はあると思います。特に、 変な研究所が崖の上に建っている 麓の住民が皆近づくことを恐れている 正体不明の変な助手がいる 実験室のセットと間取り 等は「フランケンシュタイン」(1931)に大きな影響を与えていることは確かであります。 今となってはサスペンスとしては穏やかで既視感のある映画ですが、映画史上の古典となったことは否めない作品でありますので、奇特な方は鑑賞してみるのも一興かと思います。 ねたばれ? カジノで大儲けする能力があったらもっと人生を楽しんだら良いのに!

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