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ダイヤの王国

bakeneko

5.0

ネタバレマリネラ王国のことではありません!

1920年初頭の巴里を舞台にしたサスペンス活劇で、当時まだ技術的に無理だった人造ダイアモンドの製法を巡って、ダイヤモンド会社の社長&令嬢&探偵&技術者が悪徳男爵一味と対決します。 ホテルの隣室に入り込み、壁に穴を開けて麻酔薬を流し込む 自動車に乗っていると天井から網が落ちてくる 燃え盛る家屋からのスタントなしの脱出 断崖からのダイブ…と頑張ってアクションしていますが、 現在この映画は前半の2巻が欠落しており、始まって直ぐは誰が良い者か悪者か判らないのでなかなか映画に乗れない作品となっています(完全版が修復されるまで待ちましょう!)。 ねたばれ? 断崖から飛び込んで延々と逃げるシークエンスは「ファントマ」シリーズの元ネタですな。 オマケーレビュー項目に無いサイレント映画の紹介を… もう少し猫を被っていないと… 「毒蛇の飼育」(1909年アメリカ16分)監督D・W・グリフィス 出演アーサー・ジョーンソン他 フランス革命を題材にした一幕劇で、庶民から追われたプレイボーイ貴族が、安全地帯である革命派貴族の家に逃げ込み、召使に偽装して難を逃れるが、貴族夫人に暴行しようとして叩き出される…というお話。後の「嵐の孤児」の習作的な側面がありますし、ハリボテの生首が可愛いですよ! 妹は勇敢なのに… 「鎧戸の締まった家」(1910年アメリカ16分)監督D・W・グリフィス 出演ドロシー・ウエスト他 南北戦争を題材にした物語で、友人達と勇ましく出征したが密書を届ける大役に怖気付いて逃げ帰ってしまった兄に替わって妹が男装して戦線に駆けつけ任務を全うして戦死する。母親は息子の不名誉を恥じて家に幽閉する…というお話で、ケンタッキー出身で南部贔屓のグリフィスの特徴が良く出ています(髪を切って駆けつけるドロシー・ウエストが凛々しい―窮屈な軍服が…♡)。 重いんだワニ… 「先史時代」(1913年アメリカ30分)監督D・W・グリフィス 出演メイ・マーシュ他 サロンで女性となかなか恋が進展しない発明家が見た夢の形で、“原始時代の発明家の活躍と恋の成就”を描いたファンタジーで、ずっと後(1940年)グリフィスが監督するはずだったとされる「紀元前百万年」の原型ともいえます。 本物の爬虫類に仮装させて恐竜にする―“トカゲ特撮”の萌芽が観られる作品で、頭に何か載せられているアナコンダ(一体何恐竜の役なんだ?)や背びれや角をゴテゴテに貼り付けられているワニ君が重たそうに出演していますし、(動きませんが)ハリボテのアロサウルスまで出て来ます! 現代の場面で紳士淑女然としている出演者達が先史時代シークエンスで野蛮人になって大暴れしているギャップも愉しい作品で、“おんななし部族”がまるで男子校のボンクラ学生みたいで、その必死さが笑えますよ! 狼役のなりきり演技が凄い!(笑) 「赤ずきん」(Le Petit Chaperon rouge)(1907年フランス5分)詳細不明:製作パテ社 何故かスペイン語字幕が付いている映画史上2番目に創られた“赤ずきん”(最初の赤ずきんをジョルジュ・メリエスが1901年に創っていますが現在行方不明)であります。 え~赤ずきんの物語はシャルル・ペロー版(狼に食べられておしまい=バッドエンド)とグリム版(狩人に助けられる=グッドエンド)の2種類があり、広く人口に膾炙しているのはグリム版であります。 本作はシャルル・ペロー版のお話に則っていて、その理由は狼役への配慮にあります(御覧になれば納得!)。 狼役の役になりきった名演が見所ですので、お子様と一緒に観ましょう!

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