ここから本文です

君たちのことは忘れない (1978)

THE MIRE

監督
グリゴーリ・チュフライ
  • みたいムービー 0
  • みたログ 3

3.50 / 評価:2件

ロシアの馬は音で操るんだ!

  • bakeneko さん
  • 2019年4月11日 14時49分
  • 閲覧数 121
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

不朽の名作「誓いの休暇」のグリゴーリ・チュフライが脚本&監督を務めたソ連末期の傑作ですが、戦時中に挺身よりも肉親の愛情を優先するテーマが当局の逆鱗に触れ、1978年の制作からソ連崩壊寸前まで長らく公開禁止になっていた映画でもあります。

独ソ戦が熾烈を極めていた1943年。ソ連のコルホーズの農婦マトリョーナ(ノンナ・モルジュコーワ)は長男ステパン(ワジーム・スピリドノフ)の行方不明の知らせを受け悲しみにくれる。更にまだ17才の次男ミーチャ(アンドレイ・ニコラエフ)にも召集が掛かるが。新兵が集合する際に駅が空襲に遭い、重傷を負ったミーチャをマトリョーナは本能的に救い出して物置小屋で介抱する。しかしそれは軍からの脱走を意味していた。軍からの離脱が露見すれば銃殺を免れないミーチャを他者の目から隠すために苦心惨憺するマトリョーナの下に行方不明だった長男ステパンが帰ってくるが、脱走兵を毛嫌いする愛国的なステパンに現状を話すわけにもいかず…というお話で、「アンネの日記」の様に匿っている人物の存在を気取られそうになるサスペンスと、親しい者達にも真相を語れない葛藤ドラマに引き込まれます。
息子を全力で庇う母の愛と、急に付き合いが悪くなった彼女に対して訝しげな周囲の人々の反応から目が離せない緊迫した作品ですが、ヒロインも含めた農村の朴訥な人々の心の機微が繊細に描かれていると共に、ソ連の農村の春夏秋冬や風俗も映し出されていて、特に冬期の馬橇は鞭打たずに口を鳴らして操ることもわかります。
また、終戦の日に松明を掲げて汽車に疾走する馬や喜ぶ群衆など、歴史的瞬間を生き生きと再現する躍動感も見所となっている作品で、「誓いの休暇」同様に肉親の情を引き裂く戦争の本質を当局の反応を恐れずに告発している力作であります。

ねたばれ?
1、 日本と同様にソ連(というかスターリン)も捕虜を認めないー玉砕主義でした(戦後解放され帰国した捕虜はひどい目に遭っています)。
2、 劇中でミーチャと同じく兵役に就く青年が“僕は海軍だ!”と言っていますが、陸軍王国のソ連にも一応海軍はありました。とはいっても英国や日本の様な艦隊は持っていなくて、艦船は沿岸警備用の潜水艦が大半で、主に陸上で戦車と大砲で殴り合った独ソ戦では艦隊戦は皆無でしたので、海軍に採られた兵士の多くは生還しました(逆に初期の陸軍の初年兵の平均余命は2週間でした)
3、 建前は禁止でもみんな密造酒を造っていたんだ!(この描写も封印された一因だったりして…)

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • スペクタクル
  • ロマンチック
  • 不思議
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • かわいい
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ